- 概要
- 分類
- 症状
- 原因
- 診療科
- 検査
- 診断
- 薬
- 治療法
- 抗血管新生薬療法
- 光線力学的療法(PDT)
- レーザー治療
- 手術療法
- 罹患した著名人
網膜の下の脈絡膜から血管が上に伸びてきて、網膜の下や上に出血したり、むくみをおこして視界の中心部が見づらくなる、黄斑に異常が生じる眼の病気[2]です。
失明につながる病気[2]で、加齢(老化)が主な原因です。症状はゆがんで見える程度から、中心が全く見えなくなる重症のこともあります。
- 滲出型(ウエット型)
- 網膜の外側から異常な血管「新生血管」ができ、網膜に浮腫(むくみ)や出血を起こし、急激に視力が低下する。
- 早期から症状がでる
- 失明する人の大半がこのタイプで、日本人に多い。
- 萎縮型(ドライ型)
- 黄斑が萎縮する。
- 進行が遅く、ゆっくり視力が低下する。
- 欧米人に多く、日本人に少ない。
滲出型加齢黄斑変性症の症状 [5]
- 部分的、または中心が暗く見える。
- 視界がゆがむ。
- コントラストが低下する。(ものが薄く見える)
- 視力が急激に低下することがある。
- 環境原因
- 喫煙
- 偏った食生活 (野菜、果物など抗酸化作用のある食物の不足、脂肪の過剰摂取)
- 紫外線
- 運動不足、肥満
- 経年的原因
- 遺伝的原因
- 細隙灯顕微鏡
眼底に細くて強い光を当て、網膜の病気[2]の部分を拡大して調べます。滲出型加齢黄斑変性症の場合、滲出液、出血、網膜のむくみなどの症状が見つかります。
- 眼底写真撮影
眼底カメラにより、眼底のカラー写真を撮影します。散瞳薬を用いる場合と、暗い部屋での自然散瞳を利用する場合があります。
- 光干渉断層計(OCT)による検査
網膜の断面の状態を詳しく調べます。滲出型加齢黄斑変性症の場合、網膜剥離(網膜がうき上がる)、網膜のむくみ、新生血管(異常な血管)などが見つかります。
- 蛍光眼底造影検査
蛍光色素を含んだ造影剤を腕(静脈)から注射し、眼底カメラで眼底の血管の異常を検査します。
新生血管(異常な血管)や、新生血管からもれた血液がどこにあるのかがわかります。
抗血管新生薬療法 [15]
新生血管の成長を活性化させる物質の働きを薬で抑える。
「ルセンティス」という薬を眼に注射する。
新生血管の成長を活性化する物質として身体の中にある、VEGF(血管内皮増殖因子)の働きを抑える。
視力が改善する。
光線力学的療法(PDT) [16]
新生血管を退縮させる。
光に反応する薬剤(ビスダイン)を静脈に注射した後、弱いレーザーを照射することでビスダインを活性化し、新生血管を退縮させる。正常な網膜を傷つけない。視力の低下が抑えられる。
新生血管を焼く、もしくは温める
- レーザー光凝固
新生血管が中心窩にない場合の治療法。
レーザー光で新生血管を焼き固めるため、レーザー照射した場所の視力が欠ける。
周囲の正常組織にダメージを与える問題がある。
- 経瞳孔温熱療法(TTT)
弱いレーザーを新生血管に照射し、軽度の温度上昇により新生血管の活動性を低下させる。
新生血管を取り除く。
- 新生血管抜去術
新生血管を取り去る。新生血管が中心窩にある場合にも実施されるが、中心窩を傷つける危険性もある。
- 黄斑移動術
中心窩の網膜を新生血管から離れた場所に移動し、中心窩の働きを改善する。
複視(ものが二つに見える)などの副作用がある。