通常、イソ吉草酸は酵素の働きによってすぐに有益な有機酸に代謝されていきますが、イソ吉草酸血症の患者さんでは、この酵素の働きが生まれつき不充分であり、イソ吉草酸が体に蓄積して代謝機能不全による症状が起こります。
この酵素の変調は遺伝子の変化(変異)によって起こりますが、その遺伝子変異は、全く症状が出ないような軽微なものもありますが、生まれた直後(新生児期)から重篤な障害を引き起こすものもあります。
イソ吉草酸が体に多量に蓄積すると脳にある嘔吐中枢が刺激され嘔吐が引き起こされます。さらに、体が酸性(代謝性アシドーシス)になることで代謝機能不全に陥ると、意識障害や運動機能障害が見られるようになります。特に、アンモニアなどの毒素が体に増えると脳に悪影響を及ぼし、重篤な後遺症を残すことがあります。
このような症状は、病気[3]の重症度によって変わります。イソ吉草酸血症には、重症型と慢性
重症型では、生まれて間もなくからイソ吉草酸が著しく増加し、嘔吐や意識障害がみられるようになります。
アンモニアがひどく増加していたり、骨髄での造血機能が障害されて出血しやすくなったり感染防護機能が低下していたりするので、迅速に診断し適切に治療する必要がありますが、治療が奏効すれば後遺症を残すことなく回復します。
慢性
新生児スクリーニングで見つかる非常に軽いタイプのイソ吉草酸血症では、検査でイソ吉草酸が少しだけ増加していますが、治療しなくても生涯症状が見られないことが多いです。
イソ吉草酸を代謝する酵素の遺伝子の両方に変異があるのが原因です。
遺伝子変異のため正常機能をもつ酵素が作られず、病気[3]の症状が起こります。
遺伝する病気[3]であり、保因者である両親から1/4の確率でイソ吉草酸血症の児が生まれます。
小児科
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