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アラジール症候群 のバックアップの現在との差分(No.1) :: 医療 Wiki

illness:アラジール症候群 のバックアップの現在との差分(No.1)

  
1: 2019-03-16 (土) 13:17:32 kondo[4] ソース[5] 現: 2019-03-16 (土) 14:36:41 kondo[4] ソース[6]
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肝臓を含めて上記の3症状を伴う場合 肝臓を含めて上記の3症状を伴う場合
**症状 [#pccf07ff] **症状 [#pccf07ff]
 +
 +出生後、乳児期から黄疸が現れます。黄疸は胆汁の流れが滞る胆汁うっ滞で起こります。
 +黄疸がなく、先天性心疾患や腎障害が起こる場合もあります。
 +-心血管系の異常
 +末梢性肺動脈狭窄が起こります。
 +-椎体異常
 +前方弓癒合不全が起こります。
 +-眼球の異常
 +後部胎生環が特徴的です。
 +-発育・発達障害、性腺機能不全、消化管の異常などを伴う場合があります。
**原因 [#y1efae2a] **原因 [#y1efae2a]
 +20番染色体に存在するJAG1という遺伝子の変異が知られています。また、少数では1番染色体に存在するNOTCH2という染色体の変異によるとされています。これらは臓器の発生過程において何らかの影響を及ぼすと考えられています。しかし、アラジール症候群の特徴を満たす方の全員にこれらの変異がみつかるわけではありません。
 +
**診療科 [#l5b3cf90] **診療科 [#l5b3cf90]
**検査 [#j4a0b934] **検査 [#j4a0b934]
**診断 [#b214aa22] **診断 [#b214aa22]
-**病期 ステージ [#i0ca6adf]+ 診断基準 
 +1.主要な症候 
 +(1)肝病理所見による小葉間胆管の減少 
 +(2)臨床所見 
 +I.胆汁うっ滞 
 +II.心臓血管奇形(末梢性肺動脈狭窄が最も特徴的所見である。) 
 +III.骨格の奇形(蝶形椎体が特徴的所見である。) 
 +IV.眼球の異常(後部胎生環が特徴的所見である。) 
 +V.特徴的な顔貌 
 +  
 +2.その他の症候 
 +I.腎病変:腎異形成、腎動脈狭窄、多発嚢胞腎、尿細管性アシドーシス、膀胱、尿管逆流症、尿路閉塞、慢性腎不全など 
 +II.神経血管:もやもや病、脳動脈瘤、内頚動脈瘤、大動脈瘤、大動脈縮窄など 
 +III.膵:膵機能不全 
 +  
 +3.参考事項 
 +(1)常染色体優性遺伝形式の家族歴 
 +血族内にアラジール症候群と診断された者がおり、その遺伝形式が常染色体優性遺伝に矛盾しない。 
 +(2)遺伝子診断 
 +JAG1遺伝子、又はNOTCH2遺伝子に変異を認める。 
 +  
 +4.診断のカテゴリー 
 +以下に挙げた2つの場合のいずれかを満たす場合を、アラジール症候群と診断する。 
 +  
 +-典型例: 
 +1の(1)を満たし、かつ、(2)のI.からV.のうち、3項目以上を満たすもの。 
 +  
 +-非典型例、又は変異アリルを有するが症状の乏しい不完全浸透例 
 +--1又は2に挙げたアラジール症候群に合致する症候が、1項目以上見られる。 
 +--常染色体優性遺伝に矛盾しない家族歴がある。 
 +--遺伝子診断で上記の所見が認められる。 
 +上記の3項目のうち、2項目以上を満たすもの。 
 + 
 +//**病期 ステージ [#i0ca6adf] 
**合併症 [#y0acefcd] **合併症 [#y0acefcd]
 +-胆汁うっ滞性肝硬変
 +-成長障害
 +-血管奇形による頭蓋内出血
 +
**薬 [#g7d3c045] **薬 [#g7d3c045]
-(一般名:) -(一般名:)
**治療法 [#p3a854f1] **治療法 [#p3a854f1]
 +****栄養療法 [#j9dc8a73]
 +慢性の胆汁うっ滞や成長障害に対して、脂溶性ビタミンや中鎖脂肪酸(MCT)の補充などを長期に継続します。
 +****薬物療法 [#la89ede3]
 +痒みや高脂血症に対して陰イオン交換樹脂や脂質降下薬が用いられます。
 +//****心臓カテーテル治療
 +
 +****手術療法・移植・その他 [#vac33a76]
 +胆汁うっ滞性肝硬変に進行したり、痒みなどにより著しくQOLが低下した場合には肝移植が行われます。
 +重篤な心疾患についてはカテーテル治療や外科手術が行われます。また、腎不全については透析や腎移植が行われます。
 +
 +-心臓カテーテル治療は、局所麻酔後に手首や足のつけ根の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を入れ、バルーン(風船)やステント(筒形で網状の金属)、ロータブレーター(高速回転するオリーブ型のドリル)などを使って、狭くなったり詰まったりしている冠動脈を広げる治療法です。
//**罹患した著名人 //**罹患した著名人