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副腎髄質ホルモン のバックアップ差分(No.1) :: 医療 Wiki

illness:副腎髄質ホルモン のバックアップ差分(No.1)

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1: 2011-06-22 (水) 13:26:40 seriza[5] ソース[6]
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 +*カテコールアミン [#s664edc2]
 +腎臓の上部にある副腎の髄質と呼ばれる中身の部分から分泌されるホルモンです。ドーパミン、ノルアドレナリン(ノルエビネフリン)、アドレナリン(エビネフリン)の3種類があり、総称してカテコールアミンといいます。緊張、興奮、恐怖、驚き、不安などの精神的ストレスや筋肉の緊張、運動、苦痛、暑さ寒さなどの身体的ストレスが加わると、脳の中心部の間脳がそれを受け止め、交感神経が緊張します。
 +交感神経の緊張を受けて副腎髄質から分泌されたドーパミンがノルアドレナリン、アドレナリンへとつくりかえられていき、心拍を増加させたり、呼吸を速めたり、血圧を上昇させたり、血液中の糖分を増やしたり、発汗を促したりして、心身にかかるストレスに対処します。
 +-基準値
 +--尿中
 +カテコールアミン 29.0~136.0μg/日
 +アドレナリン 3.0~15.0μg/日
 +ノルアドレナリン 26.0~121.0μg/日
 +ドーパミン 190.0~740.0μg/日
 +--血中
 +アドレナリン 100pg/ml以下
 +ノルアドレナリン100~450pg/ml
 +ドーパミン 20pg/ml以下
 +**ドーパミン [#eb4ad4d6]
 +ドーパミンは、他の動物に比べて人間だけに多く分泌され、脳が覚醒され快楽を生み出すホルモンです。人間の創造力は、このドーパミンの分泌により維持されています。ドーパミンの分泌異常は、統合失調症を引き起こします。
 +**ノルアドレナリン・アドレナリン [#i15d7dce]
 +ノルアドレナリンは「怒りのホルモン」といわれ、激しく怒ると分泌が増加します。これに対してアドレナリンは「恐怖のホルモン」といわれ、驚いて恐怖を感じたときに多く分泌されます。どちらも人間を覚醒させ活動的にする作用があり、意志や意欲の根源となります。ノルアドレナリンの分泌が減少すると鬱状態となり、逆に過剰に分泌されると躁状態となります。
 +**脳内ホルモン(参考) [#x48ff260]
 +-セロトニン
 +人体のセロトニンの2%が中枢神経系にあり、人間の活動を抑制して休ませたり眠らせる作用があります。分泌が減少すると不眠症になります。
 +-エンドルフィン
 +人間が緊急状態に陥って苦痛が生じたときに脳から分泌されます。これは「脳内麻薬」といわれ、鎮痛薬として使われる麻薬のモルヒネと同じように鎮痛・快感作用があります。
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 +**何がわかるのか [#scdf9cdc]
 +褐色細胞腫や神経芽細胞腫などの腫瘍ができるとカテコールアミンの分泌が増えるため、それらの腫瘍の診断や治療効果の判定のために測定します。また、狭心症や心筋梗塞、心不全の診断、それにストレスや交感神経が関係している病気を調べるときにも行われます。
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 +**どのような検査か [#jdde558d]
 +尿を調べる検査と血液を採取して調べる検査があります。尿は塩酸を入れた容器にとって低温保存し、1日分をまとめて、その中のカテコールアミンを測定します。ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンについても同様に調べます。
 +
 +**検査を受ける時の注意 [#m22f06cb]
 +運動や興奮はカテコールアミンの分泌が高まるので、採血は朝の空腹時に1時間の安静後に行います。
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 +**検査結果の判定 [#n1f6f39a]
 +高値の場合に考えられるのは褐色細胞腫、乳幼児では神経芽細胞腫です。褐色細胞腫の場合には、副腎にできたものはアドレナリンが高く、それ以外に発生したものはノルアドレナリンが高くなります。
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 +**異常な場合に疑われる病気 [#vab9b0f3]
 +-高値
 +褐色細胞腫、神経芽細胞腫、副腎髄質過形成、心不全、心筋梗塞、パーキンソン病、統合失調症、うつ病、本態性高血圧、糖尿病、甲状腺機能低下症など。
 +-低値
 +家族性自律神経失調症、起立性低血圧、汎下垂体機能不全症、フェニルケトン尿症、甲状腺機能亢進症など。
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