#norelated #contents *ジアスターゼ 血清アミラーゼ 尿アミラーゼ [#rdcbeb7e] アミラーゼはジアスターゼとも呼ばれるデンプンなど糖類を分解する酵素で、唾液腺から分泌される唾液と膵臓から分泌される膵液に含まれています。この他微量ですが、卵管、肝臓、小腸、肺、心筋などにも含まれています。 -基準値 血清アミラーゼ 酵素法 50~170IU/ℓ 尿アミラーゼ 酵素法 160~1160IU/ℓ **何がわかるのか [#dc4c418d] アミラーゼを分泌する唾液腺や膵臓が障害され、細胞が破壊されたり分泌が妨げられると、アミラーゼが血液中に流れ込み、さらに尿中にも流れ出します。 そのため、耳下腺炎や急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がんなどの病気があると、血清アミラーゼや尿アミラーゼが上昇することから、これらの病気の診断や経過観察に役立ちます。 また、膵臓から分泌される膵型アミラーゼ(P型)は唾液腺から分泌される唾液腺型アミラーゼ(S型)よりも尿中に現れやすいので血清中と尿中のアミラーゼの値を比較することで診断に役立ちます。 **どのような検査か [#hda53686] 血清アミラーゼは血液を採取して、血清部分を自動分析器にかけて検出します。また、尿アミアーゼは採取した尿を自動分析器にかけて検出します。検査法はいろいろありますが、多くは酵素法が用いられています。 **検査を受ける時の注意 [#ud289606] 特に飲食の影響はありませんが、前日に多量の飲酒は控えてください。膵炎の場合は、経過を見るために、血清アミラーゼを一日おき、尿アミラーゼを毎日、1週間続けて調べ、さらにこれを2~3週間にわたって続けることがあります。 **検査結果の判定 [#w7a18d52] 急性膵炎は激しい腹痛を起こしますが、この場合にはアミラーゼの値が平常の5~10倍に上昇します。発病から3~4日で血清アミラーゼは正常に戻りますが、尿アミラーゼは高値が続きます。回復期にもアミラーゼ値が変動することもあり、重症の膵炎や膵膿胞を合併しているときは経過が長引くこともあるので2~3週間続けて測定します。 なお、急性膵炎はその他の膵酵素や腹部超音波検査、腹部CT検査などとあわせて診断されます。 慢性膵炎や膵臓がんは2~3倍の高値が持続しますが、慢性膵炎でも急性憎悪期には急性と同じように上昇します。この場合には、上記検査の他、膵胆管造影検査、腹部血管造影検査、腫瘍マーカーなどの検査を行い診断します。 急性耳下腺炎(おたふくかぜ)や唾石症など、唾液腺の病気でも血清アミラーゼは上昇しますが、ほおの腫れやあごの痛みなどで診断がつきます。 唾液腺の病気の場合はS型アミラーゼだけが上昇するのでアイソザイムの検査でわかります。尿アミラーゼは上昇しません。 また、胃・十二指腸潰瘍の穿孔、急性の胆管炎、胆嚢炎、腸閉塞、腹膜炎などでも膵臓が障害されたり膵液の排出が妨げられるためにP型のアミラーゼが上昇することがあります。 劇症肝炎、糖尿病性ケトーシス、腹部外傷では、しばしばS型アミラーゼが上昇します。 **異常な場合に疑われる病気 [#b5a6081c] -血清・尿ともに高値 急性膵炎、慢性膵炎の憎悪期、膵臓がん、膵膿胞、耳下腺炎、胃・十二指腸潰瘍(穿孔)、腹膜炎、腸閉塞など。 -血清だけが高値 マクロアミラーゼ血症、腎不全、高唾液腺型アミラーゼ血症など。 -血清・尿ともに低値 腎臓病末期、肝硬変、高度の糖尿病など
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