2: 2014-12-11 (木) 13:02:51 kondo | 3: 2018-10-18 (木) 14:16:00 kondo | ||
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HER2タンパクの働きを抑えることにより、増殖に必要な物質を取り込めないようにし、がん細胞の増殖を抑えたり死滅させると考えられています。また、正常細胞とがん細胞の区別ができず、正常細胞にも作用していた今までの抗がん剤と比べ、副作用が少ないとされています。 | HER2タンパクの働きを抑えることにより、増殖に必要な物質を取り込めないようにし、がん細胞の増殖を抑えたり死滅させると考えられています。また、正常細胞とがん細胞の区別ができず、正常細胞にも作用していた今までの抗がん剤と比べ、副作用が少ないとされています。 | ||
- | **用法・用量 [#v35b8360] | + | -HER2過剰発現が確認された乳癌 |
- | 進行した乳がんや手術後に再発・転移した乳がんの治療に用いられますが、このお薬を使用するのは、がん細胞の表面にHER2というタンパク質がたくさんある(3+)または、かなりある(2+)方に限られます。 | + | |
+ | -HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌 | ||
+ | |||
+ | **用法・用量 [#jcab825e] | ||
+ | |||
+ | HER2過剰発現が確認された乳癌にはA法又はB法を使用する。HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でB法を使用する。 | ||
+ | |||
+ | |||
+ | -A法 | ||
+ | 通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。 | ||
+ | |||
+ | -B法 | ||
+ | 通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)として初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。 | ||
+ | |||
+ | なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。 | ||
**生活上の注意 [#ndc87a6e] | **生活上の注意 [#ndc87a6e] | ||
Line 15: | Line 29: | ||
**副作用 [#l622f536] | **副作用 [#l622f536] | ||
- | 発熱、寒気を主症状とする副作用があらわれることがあります。 | ||
- | -その他の副作用 | ||
- | 吐き気、嘔吐、痛み、頭痛、咳が出る、めまいがする、発疹ができる、無力症 | ||
- | -重症時の症状 | ||
- | --息苦しい、息をするときのどがヒューヒュー鳴る、呼吸が速くなる | ||
- | --泡状でピンク色の痰が出る、声がかすれる、 | ||
- | --胸が苦しい、気分が悪くなる、動悸がする、疲れやすい、不安になる、汗をかく、体重が減る | ||
- | --皮膚が赤くなる、かゆくなる | ||
- | --手足などが冷たく感じる、血圧が下がる、脈が不規則になる | ||
- | --顔がはれぼったい、舌がはれる、唇が青紫色になる | ||
- | ***稀な副作用 [#j23bb6ae] | + | -HER2過剰発現が確認された転移性乳癌 |
+ | 主な副作用は、発熱、悪寒、悪心・嘔吐、疲労 等 | ||
+ | |||
+ | -HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法 | ||
+ | 主な副作用は、悪寒、頭痛、発熱、悪心、疲労、駆出率低下、爪の障害 等 | ||
+ | |||
+ | -HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌 | ||
+ | 主な副作用は、悪心、好中球減少症、嘔吐、食欲不振、疲労、下痢、手掌・足底発赤知覚不全症候群、口内炎 | ||
+ | 腎機能障害、口内炎、しゃっくり、便秘 等 | ||
+ | |||
+ | ***重大な副作用 [#h2daec6f] | ||
+ | -心障害 | ||
+ | 心不全(呼吸困難、起座呼吸、咳嗽等、S3ギャロップ、駆出率低下、末梢性浮腫 等)、心原性ショック、肺浮腫、心嚢液貯留、心筋症、心膜炎、不整脈、徐脈 等 | ||
+ | -ショック、アナフィラキシー | ||
+ | 低血圧、頻脈、顔面浮腫、眩暈、耳鳴、呼吸困難、喘息、喘鳴、血管浮腫、咽頭浮腫、気管支痙攣、呼吸不全、非心原性肺浮腫、胸水、低酸素症等があらわれることがある。 | ||
+ | -間質性肺炎・肺障害 | ||
+ | 間質性肺炎、肺線維症、肺炎(アレルギー性肺炎等を含む)、急性呼吸促迫症候群 等の肺障害があらわれることがある。 | ||
-白血球の減少・感染症 | -白血球の減少・感染症 | ||
発熱、寒気、震え、咳、のどの痛み、軟便、下痢、腹痛、排尿時の痛み、血尿、頻尿、残尿感、肛門痛、皮膚が赤くなる、おりものの増加・不正性器出血、陰部のかゆみ、歯肉痛、発汗 | 発熱、寒気、震え、咳、のどの痛み、軟便、下痢、腹痛、排尿時の痛み、血尿、頻尿、残尿感、肛門痛、皮膚が赤くなる、おりものの増加・不正性器出血、陰部のかゆみ、歯肉痛、発汗 | ||
+ | -好中球減少 | ||
-血小板の減少・出血 | -血小板の減少・出血 | ||
紫斑、内出血、歯磨きによる出血、鼻血、血便、血尿 | 紫斑、内出血、歯磨きによる出血、鼻血、血便、血尿 | ||
Line 34: | Line 56: | ||
手足が冷たい、爪の色が白い、顔色が悪い、頭痛、耳鳴りがする、脈拍が増える、動悸がする、息切れしやすい、食欲不振、便秘、めまいがする、疲労感・倦怠感がある | 手足が冷たい、爪の色が白い、顔色が悪い、頭痛、耳鳴りがする、脈拍が増える、動悸がする、息切れしやすい、食欲不振、便秘、めまいがする、疲労感・倦怠感がある | ||
-肝機能障害 | -肝機能障害 | ||
+ | 肝不全、黄疸、肝炎、肝障害 | ||
白目・爪・皮膚が黄色になる、発熱、出血しやすい、歯ぐきから出血する、青あるいは紫のあざができやすい、体がだるい、疲れやすい、吐き気、食欲がない、発疹ができる、関節が痛い | 白目・爪・皮膚が黄色になる、発熱、出血しやすい、歯ぐきから出血する、青あるいは紫のあざができやすい、体がだるい、疲れやすい、吐き気、食欲がない、発疹ができる、関節が痛い | ||
+ | -腎障害 | ||
+ | 腎不全、腎障害があらわれることがある。 | ||
-腎糸球体症 | -腎糸球体症 | ||
顔や手足がむくむ、体がだるい、尿量が減る、尿が赤みを帯びる、発熱、腹痛、吐き気、節々が痛む | 顔や手足がむくむ、体がだるい、尿量が減る、尿が赤みを帯びる、発熱、腹痛、吐き気、節々が痛む | ||
+ | |||
+ | -昏睡、脳血管障害、脳浮腫 | ||
-敗血症 | -敗血症 | ||
寒気を伴った高熱が48時間以上続く、嘔吐、下痢になる、息苦しい、むくみが出る、呼吸が速くなる、動悸がする、めまいがする、脈が不規則になる | 寒気を伴った高熱が48時間以上続く、嘔吐、下痢になる、息苦しい、むくみが出る、呼吸が速くなる、動悸がする、めまいがする、脈が不規則になる | ||
- | **ジェネリック医薬品 [#ra519086] | + | ***その他の副作用 [#r32784e6] |
+ | HER2過剰発現が確認された転移性乳癌 | ||
+ | |BGCOLOR(#d3d3d3):副作用|BGCOLOR(#dcdcdc):10%以上|BGCOLOR(#dcdcdc):2~10%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):2%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):頻度不明| | ||
+ | |血液及びリンパ系障害||||| | ||
+ | |肝臓||||| | ||
+ | |肝胆道系||||| | ||
+ | |腎臓||||| | ||
+ | |泌尿器||||| | ||
+ | |生殖系及び乳房||||| | ||
+ | |精神系||||| | ||
+ | |神経系||||| | ||
+ | |感覚器||||| | ||
+ | |眼||||| | ||
+ | |耳||||| | ||
+ | |錐体外路症状||||| | ||
+ | |循環器 心臓||||| | ||
+ | |血管||||| | ||
+ | |呼吸器||||| | ||
+ | |消化器||||| | ||
+ | |皮膚・皮下組織系||||| | ||
+ | |過敏症||||| | ||
+ | |下垂体・副腎皮質系||||| | ||
+ | |免疫系||||| | ||
+ | |代謝及び栄養||||| | ||
+ | |内分泌||||| | ||
+ | |筋骨格系及び結合組織障害||||| | ||
+ | |全身||||| | ||
+ | |投与部位||||| | ||
+ | |感染症||||| | ||
+ | |抵抗機構||||| | ||
+ | |その他||||| | ||
+ | |臨床検査||||| | ||
+ | |||
+ | HER2過剰発現が確認された乳癌における術後補助化学療法 | ||
+ | |BGCOLOR(#d3d3d3):副作用|BGCOLOR(#dcdcdc):10%以上|BGCOLOR(#dcdcdc):2~10%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):2%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):頻度不明| | ||
+ | |血液及びリンパ系障害||||| | ||
+ | |肝臓||||| | ||
+ | |肝胆道系||||| | ||
+ | |腎臓||||| | ||
+ | |泌尿器||||| | ||
+ | |生殖系及び乳房||||| | ||
+ | |精神系||||| | ||
+ | |神経系||||| | ||
+ | |感覚器||||| | ||
+ | |眼||||| | ||
+ | |耳||||| | ||
+ | |錐体外路症状||||| | ||
+ | |循環器 心臓||||| | ||
+ | |血管||||| | ||
+ | |呼吸器||||| | ||
+ | |消化器||||| | ||
+ | |皮膚・皮下組織系||||| | ||
+ | |過敏症||||| | ||
+ | |下垂体・副腎皮質系||||| | ||
+ | |免疫系||||| | ||
+ | |代謝及び栄養||||| | ||
+ | |内分泌||||| | ||
+ | |筋骨格系及び結合組織障害||||| | ||
+ | |全身||||| | ||
+ | |投与部位||||| | ||
+ | |感染症||||| | ||
+ | |抵抗機構||||| | ||
+ | |その他||||| | ||
+ | |臨床検査||||| | ||
+ | |||
+ | HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌 | ||
+ | |BGCOLOR(#d3d3d3):副作用|BGCOLOR(#dcdcdc):10%以上|BGCOLOR(#dcdcdc):2~10%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):2%未満|BGCOLOR(#dcdcdc):頻度不明| | ||
+ | |血液及びリンパ系障害||||| | ||
+ | |肝臓||||| | ||
+ | |肝胆道系||||| | ||
+ | |腎臓||||| | ||
+ | |泌尿器||||| | ||
+ | |生殖系及び乳房||||| | ||
+ | |精神系||||| | ||
+ | |神経系||||| | ||
+ | |感覚器||||| | ||
+ | |眼||||| | ||
+ | |耳||||| | ||
+ | |錐体外路症状||||| | ||
+ | |循環器 心臓||||| | ||
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+ | |呼吸器||||| | ||
+ | |消化器||||| | ||
+ | |皮膚・皮下組織系||||| | ||
+ | |過敏症||||| | ||
+ | |下垂体・副腎皮質系||||| | ||
+ | |免疫系||||| | ||
+ | |代謝及び栄養||||| | ||
+ | |内分泌||||| | ||
+ | |筋骨格系及び結合組織障害||||| | ||
+ | |全身||||| | ||
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