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高IgD症候群 のバックアップの現在との差分(No.1) :: 医療 Wiki

illness:高IgD症候群 のバックアップの現在との差分(No.1)

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1: 2013-09-02 (月) 21:29:32 cons[5] ソース[6] 現: 2015-06-12 (金) 21:21:15 kondo[5] ソース[7]
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#norelated #norelated
#contents #contents
-*概要 [#bfc266be] +*メバロン酸キナーゼ欠損症 概要 [#bfc266be] 
-コレステロール生合成の経路に関わるメバロン酸キナーゼの機能低下によって生じる周期性発熱症候群である。機能不全となると、より重篤なメバロン酸尿症となる。+コレステロール生合成の経路に関わるメバロン酸キナーゼ(MK)の機能低下によって生じる周期性発熱症候群である。機能不全となると、より重篤なメバロン酸尿症となる。 
 +-メバロン酸キナーゼ(MK) 
 +MKは、コレステロール生合成経路でメバロン酸をリン酸化する酵素である。
**症状 [#s058eac4] **症状 [#s058eac4]
-乳児期より始まり、周期性の発熱発作が4~6日程度持続します。発作の際には、頭痛・嘔吐・下痢・腹痛・リンパ節腫脹を伴います。その他に、肝脾腫、発疹、関節痛、関節炎、アフタ性口内炎を伴います。+乳児期に発症して、周期性の発熱発作が4~6日程度持続します。発作の際には、頭痛・嘔吐・下痢・腹痛・リンパ節腫脹を伴います。その他に、肝脾腫、発疹、関節痛、関節炎、アフタ性口内炎を伴います。 
 +一般的に関節破壊は認められません。 
**原因 [#mb4b2371] **原因 [#mb4b2371]
メバロン酸キナーゼをコードする遺伝子mvkの変異によるものである。 メバロン酸キナーゼをコードする遺伝子mvkの変異によるものである。
 +メバロン酸の代謝産物であるゲラニルゲラニルピロリン酸が短期的に不足し、炎症性サイトカインの一種であるIL-1βが過剰に分泌され、周期性発熱が起こります。
 +
**診療科 [#m1c4172e] **診療科 [#m1c4172e]
**検査 [#mc67aa87] **検査 [#mc67aa87]
 +-血液検査
 +発熱発作時に白血球数、[[CRP]]は高値となります。発熱間欠期にもCRPが陰性化しない症例があります。
 +-特異的検査
 +発熱時の尿中メバロン酸測定、MK酵素活性測定、MVK遺伝子解析が行われます。
 +
**診断 [#j31155c8] **診断 [#j31155c8]
-**病期 ステージ [#r1b72157]+ 診断基準 
 +確定診断例を対象とする。 
 +-必須条件 
 +CRP の上昇を伴う、6か月以上続く反復性発熱発作 
 +-補助項目 
 +1 6歳未満の発症 
 +2 有痛性リンパ節腫脹・嘔吐・下痢の1つ以上を認める 
 + 
 +必須条件を満たし、かつ補助項目を1つ以上有する症例をHIDS〈MKD〉疑い例とする。疑い例では遺伝子検査 
 +を行い、HIDS〈MKD〉の確定診断を行う。診断基準として以下の3項目のうち、どれかに該当すること。 
 + 
 +1)MVK 遺伝子検査にて両アリルに疾患関連変異を認める。 
 +2)MVK 遺伝子検査にて片方のアリルのみに疾患関連変異をみとめ、発熱時尿中メバロン酸高値を示す。 
 +3)MVK 遺伝子検査にて疾患関連変異を認めないが、発熱時尿中メバロン酸高値且つMK 活性が10%未満であ 
 +る。 
**合併症 [#be8d6a8f] **合併症 [#be8d6a8f]
腹膜炎に続発する腹腔内癒着、関節拘縮、アミロイドーシス 腹膜炎に続発する腹腔内癒着、関節拘縮、アミロイドーシス
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**治療法 [#kcd73774] **治療法 [#kcd73774]
-ステロイドホルモン剤を中心に治療されています。メバロン酸を合成するHMG-CoA還元酵素阻害薬であるstatinが有効とされる場合があります。+副腎皮質ホルモン剤を中心に治療されています。メバロン酸を合成するHMG-CoA還元酵素阻害薬であるstatinが有効とされる場合があります。 
 + 
 +生物学的製剤の中では、抗IL-1製剤であるアナキンラや、抗TNFα製剤であるエタネルセプト(エンブレル皮下注)の有効性が報告されています。 
 +***移植 [#xb4e73b4] 
 +重症例では、造血幹細胞移植が行うことがあります。
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