- 慢性糸球体腎炎 概要
- 病態
- 診療科
- 診断
- 症状
- 薬
- アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
- ACE阻害剤 (アンジオテンシン変換酵素阻害薬)
- 治療法
- 扁桃摘出・ステロイドパルス併用療法(扁摘パルス療法)
慢性糸球体腎炎 概要 [1]
小児又は、成人で最も頻度の高い糸球体で、その多くが学校検尿において無症候性血尿、無症候性たんぱく尿として発見されています。 なんらかの原因により腎臓の糸球体を支持するメサンギウム細胞に、IgAという免疫グロブリン[2]が沈着する病気[3]です。
65%は、無症候性血尿、無症候性たんぱく尿が現れます。肉眼的血尿を風邪などに伴って起こします。
血尿、15%の患者に血液検査でIgAの上昇があります。
腎生検[7]で採った組織を顕微鏡で見ると、メサンギウムの増殖とIgAの沈着があります。これにより診断を確定します。
初期には、顕微鏡的血尿以外には症状のない例が多く、病気[3]が進行すると高血圧[9]や浮腫などの腎炎らしい症状が現れます。 風邪や扁桃炎などにかかると、4~5日肉眼的血尿発作があります。 予後 この慢性腎炎は、小児や若年齢層に起こりますが、70~80%の患者は成人に達するまでに血尿が消えるか、続いても悪くなることはありません。
20~30%の患者はたんぱく尿が徐々に増えてネフローゼになったり、さらに高血圧[9]の状態で5年~10年経つと慢性腎不全になることがあります。
- 副腎皮質ステロイド[11]薬
- ジラゼプ塩酸塩錠[12](一般名:塩酸ジラゼプ錠)
IgA腎症の尿蛋白を減少させます。
- 副作用
頭痛、頭重感、眩暈、ふらつき、不眠、いらいら感、眠気、動悸、頻脈、熱感、顔面潮紅感、胸部圧迫感、胸部違和感、起立性低血圧、悪心、嘔吐、便秘、腹痛、下痢、軟便、食欲不振、口渇、過敏症、発疹、そう痒感、紅斑、ALT上昇、GPT上昇、白血球増多、苦味感、易疲労感、喉頭部息づまり感、発汗、手指の張る感じ、肩こり
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB) [13]
- ニューロタン錠[14](一般名:ロサルタン カリウム)
血圧を下げる作用があります。血圧を上げる「アンジオテンシン」という体内物質をおさえることにより、体の血管が広がり、また水分や電解質[15]が調整されて、血圧が下がります。心臓や腎臓の負担を軽くする効果があります。
ACE阻害剤 (アンジオテンシン変換酵素阻害薬) [16]
ACE阻害薬は、生体内での、レニン・アンジオテンシン[17]系を阻害し、昇圧物質であるアンジオテンシン2の生成を抑制することにより血圧を下げる薬品です。
肉眼的血尿発作でも顕微鏡的血尿が続く場合でも血尿のみの場合は、特に治療の必要はありません。但し、定期的な検尿を続ける必要があります。
ステロイド、免疫抑制剤[27]、血液を固まりにくくするワーファリン錠[28]などいろいろ薬を組み合わせた治療を行います。
扁桃摘出・ステロイドパルス併用療法(扁摘パルス療法) [29]
- ステロイドの投与法は、各病院により異なります。
有効性が期待される患者さんに、耳鼻咽喉・頭頚部外科で両側口蓋扁桃摘出術を行います。その後、腎臓・高血圧[9]内科でステロイドパルス療法を行います。
ステロイドパルス療法の投与法は、3日連続でメチルプレドニゾロン 500mg点滴し、プレドニゾロン錠[30] 30mg内服4日間で継ぎ、これを1クールとして最大3週連続で計3クール行います。(仙台方式)