出血が起こると、まず血小板が集まって固まり、傷口をふさいで出血を止め、次にフィブリノゲン[2]がフィブリンという線維質に変わって、血小板の隙間などを埋め、しっかり傷口をふさいで止血を完成させます。このような応急処置のあと、血管をつくっている組織が再生して、傷口を元のように治します。
こうなるとフィブリンは不要になりますので、プラスミンという酵素が働いてフィブリンを溶かしますが(線溶現象)、その時生じるのがFDP(フィブリン分解産物)です。
フィブリンの溶解は段階を経て進んでいきますが、最終的に生じる物質の一つがDダイマーです。
血栓を起こす病気[4]を発見するとともに、その重症度も推定できます。
心筋梗塞[5]や脳梗塞を起こすと血栓を溶かす薬を使用しますが、その効果を判定する際にも使われます。FDPとDダイマーの検査値は、ほぼ平行します。
血液を採取し、ラテックス凝集反応*1で測定します。膀胱がん[7]や妊娠中毒症などではFDPが尿に多く出るので、尿中のFDPを測定することもあります。Dダイマーは多くの場合、血液中のFDPと同時に測定します。
抗凝固剤を使用していないか確認しておきます。
FDPの検査値が高くなったら白血病[10]、感染症が重症化したり、がんが広く転移して全身に血栓ができる播腫性血管内凝固症候群(DIC)が発生していると考えられます。
心筋梗塞[5]や脳梗塞などの血栓ができる病気[4]でも値が高くなります。また、劇症肝炎や肝硬変では、FDPの処理能力が低下するため高値になります。
高尿酸血症[11]の治療薬ウロキナーゼを大量投与したときもFDPは高値になりますが、Dダイマーは変化しません。
播腫性血管内凝固症候群(DIC)、重症感染症、がん、心筋梗塞[5]、脳梗塞、肺塞栓症、胎盤早期剥離、妊娠中毒症、膠原病[13]など。
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