フィブリン分解産物・Dダイマー
出血が起こると、まず血小板が集まって固まり、傷口をふさいで出血を止め、次にフィブリノゲンがフィブリンという線維質に変わって、血小板の隙間などを埋め、しっかり傷口をふさいで止血を完成させます。このような応急処置のあと、血管をつくっている組織が再生して、傷口を元のように治します。
こうなるとフィブリンは不要になりますので、プラスミンという酵素が働いてフィブリンを溶かしますが(線溶現象)、その時生じるのがFDP(フィブリン分解産物)です。
フィブリンの溶解は段階を経て進んでいきますが、最終的に生じる物質の一つがDダイマーです。
- 基準値
- FDP
血清中 4μg/ml以下
尿中 100ng/ml以下 - Dダイマー
血清中 1.0μg/ml以下
- FDP
何がわかるのか
血栓を起こす病気を発見するとともに、その重症度も推定できます。
心筋梗塞や脳梗塞を起こすと血栓を溶かす薬を使用しますが、その効果を判定する際にも使われます。FDPとDダイマーの検査値は、ほぼ平行します。
どのような検査か
血液を採取し、ラテックス凝集反応*1で測定します。膀胱がんや妊娠中毒症などではFDPが尿に多く出るので、尿中のFDPを測定することもあります。Dダイマーは多くの場合、血液中のFDPと同時に測定します。
検査結果の判定
FDPの検査値が高くなったら白血病、感染症が重症化したり、がんが広く転移して全身に血栓ができる播腫性血管内凝固症候群(DIC)が発生していると考えられます。
心筋梗塞や脳梗塞などの血栓ができる病気でも値が高くなります。また、劇症肝炎や肝硬変では、FDPの処理能力が低下するため高値になります。
高尿酸血症の治療薬ウロキナーゼを大量投与したときもFDPは高値になりますが、Dダイマーは変化しません。
異常な場合に疑われる病気
播腫性血管内凝固症候群(DIC)、重症感染症、がん、心筋梗塞、脳梗塞、肺塞栓症、胎盤早期剥離、妊娠中毒症、膠原病など。
- 肺塞栓症(エコノミークラス症候群=ロングフライト症候群)
体のどこかで出来た血栓が、血液の流れにのって心臓に戻り、肺動脈に流れ込んで肺の血管を詰まらせる病気です。急激に胸痛が起こり、息苦しくなって、血の混じった痰を吐き倒れることもあります。そのまま死に至る重症例も少なくありません。
長時間イスに座って体を動かさないでいると、足の血流が滞るために血が固まって発症します。海外旅行なので長時間飛行機に乗っているときに起こりやすいため「エコノミークラス症候群」とか「ロングフライト症候群」といわれます。
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