コレステロール生合成の経路に関わるメバロン酸キナーゼ(MK)の機能低下によって生じる周期性発熱症候群である。機能不全となると、より重篤なメバロン酸尿症となる。
乳児期に発症して、周期性の発熱発作が4~6日程度持続します。発作の際には、頭痛・嘔吐・下痢・腹痛・リンパ節腫脹を伴います。その他に、肝脾腫、発疹、関節痛、関節炎、アフタ性口内炎を伴います。
一般的に関節破壊は認められません。
メバロン酸キナーゼをコードする遺伝子mvkの変異によるものである。
メバロン酸の代謝産物であるゲラニルゲラニルピロリン酸が短期的に不足し、炎症性サイトカイン[5]の一種であるIL-1βが過剰に分泌され、周期性発熱が起こります。
診断基準
確定診断例を対象とする。
必須条件を満たし、かつ補助項目を1つ以上有する症例をHIDS〈MKD〉疑い例とする。疑い例では遺伝子検査[11]
を行い、HIDS〈MKD〉の確定診断を行う。診断基準として以下の3項目のうち、どれかに該当すること。
1)MVK 遺伝子検査[11]にて両アリルに疾患関連変異を認める。
2)MVK 遺伝子検査[11]にて片方のアリルのみに疾患関連変異をみとめ、発熱時尿中メバロン酸高値を示す。
3)MVK 遺伝子検査[11]にて疾患関連変異を認めないが、発熱時尿中メバロン酸高値且つMK 活性が10%未満であ
る。
副腎皮質ホルモン[16]剤を中心に治療されています。メバロン酸を合成するHMG-CoA還元酵素阻害薬であるstatinが有効とされる場合があります。
生物学的製剤の中では、抗IL-1製剤であるアナキンラや、抗TNFα製剤であるエタネルセプト(エンブレル皮下注[17])の有効性が報告されています。
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