細菌やウイルスなどが脳と脊髄を包む膜である髄膜に炎症を起こす病気[2]です。
最も多いのはウイルス性の髄膜炎で、症状としては発熱・頭痛・嘔吐・痙攣・項部硬直 〈首の後ろの筋肉が固まる〉・重篤〈じゅうとく〉な場合は意識障害が見られる事もあります。
髄膜とは頭蓋骨と脳の間にあって脳を包み込み、いわば脳を保護するクッションのような役目をしている膜です。
髄膜は3枚の膜で成り立っています。脳に近い方から軟膜、くも膜、硬膜からなっていて、この軟膜とくも膜との間にくも膜下腔というスペースがあり、脳脊髄液という栄養たっぷりの液体がたまっています。この髄膜に細菌やウイルスがつくと髄膜炎になります。
髄膜についた細菌やういるすは居心地のよい脳脊髄液の中で増えて、脳脊髄液は細菌やウイルス、それを退治しようと集まってきた白血球やそれらの出すタンパク質でどろどろになります。
おたふくかぜウイルス(ムンプスウイルス[6])によるものと、夏風のコクサッキーウイルス、エコーウイルスなどが原因のことが多いです。
おたふくかぜは流行性耳下腺炎とも呼ばれているように、両側または片側の耳の直下が腫れてきます。反復性耳下腺炎や化膿性耳下腺炎と紛らわしいことも稀にあります。
ウイルス性髄膜炎に比べて頻度は少ないです。新生児、特に母親から十分な抗体をもらわないうちに生まれた未熟児ではB群溶連菌、大腸菌が原因の髄膜炎にかかることがあります。乳幼児期にはいんふるえんざ菌、肺炎[8]球菌、髄膜炎菌などが原因のことが多いです。
典型的な発熱、嘔吐がなく、いつもに比べて元気がなかったり、母乳の飲みが悪かったり、逆に異常に興奮していたりということだけが症状のことがあります。
新生児の髄膜炎は早期発見が難しく、手遅れになる場合もあります。大泉門という前頭部の膜が硬く張っている場合は注意が必要です。
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