脳と脊髄の神経は中枢神経といい、とても大切な神経ですので頭蓋骨と背骨で保護されています。この中枢神経は、脳から脊髄まで髄膜で包まれています。髄膜は、3層になっており外側の骨と接しているが硬膜、その下にあるのがくも膜、内側の脳や神経を直接おおっているのが軟幕です。くも膜と軟膜の間は隙間があいていて、その中を髄液が流れて、栄養を補給したり老廃物を排除する働きとともに、脳や神経を衝撃から守るクッションの役目をしています。
脳や脊髄に異常があると、脊髄液に変化がみられます。この脊髄液を採取して調べ、病気[3]や異常を判定するのが髄液検査です。
髄膜炎[4]やくも膜下出血[5]が疑われるがCT検査やMRI検査[6]でははっきりしない時やさらに詳しく調べるために髄液検査が行われます。髄液に含まれる成分を調べることにより、癌の脳転移の有無やその状態までも明らかにできます。
ベッドに横向きに寝て、できるだけ背中を丸めます。局所麻酔をして後ろ腰のところから、第3、第4腰椎の間に針を刺し入れ、硬膜とくも膜を通してくも膜下腔に届かせ、その中にある髄液を採取します。局所麻酔をしても多少の痛みを伴います。
所要時間5~6分ですが、その間はじっとして動いてはいけません。せきが出たくても我慢します。体の力を抜いていることで、痛みが軽減します。
検査後は、少なくとも1時間は安静にします。
くも膜下腔に針を刺し込んだら、まず液圧を測定します。液圧が高いときには脳や脊髄の炎症、腫瘍、出血などが考えられ、髄膜炎[4]では特に液圧が高くなります。次に髄液を採取して、肉眼で色や浮遊物を調べます。健常な髄液は無色透明ですが、白っぽく濁っているときは髄膜炎[4]、黄色いときは出血が疑われ、くも膜下出血[5]では真っ赤になります。
さらに、含まれている成分を調べます。赤血球が多いときには脳や脊髄のどこかで出血、白血球が多いときには化膿性髄膜炎[4]、リンパ球が多いときにはウイルス性髄膜炎[4]、ブドウ糖の値が高いときは細菌性髄膜炎[4]で低いときはウイルス性髄膜炎[4]や脳炎が疑われます。タンパク質濃度が高くなると髄膜炎[4]や脳炎など脳や脊髄の病気[3]が考えられます。
LDH(乳酸脱水素酵素)の値が高いと癌が疑われます。
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