視神経は中枢神経であり末梢神経のように再生することはありません。
視神経疾患のすべてが難治性視神経症に属する可能性があります。
特発性視神経炎は、 視神経の視神経乳頭が炎症を起こして腫れ、片眼又は両眼性の急性の視力低下、視野狭窄がみられます。
原因は不明です。
年齢は若年から中年に多く、やや女性に多い傾向があります。 なお、片眼発症の方が頻度が高く、両眼ともに発症する事は非常に稀とされています。
頻度比率に関しては、10:1とも言われています。
特発性視神経炎は急性の片眼又は両眼性の視カ低下がみられる。他の原因が除外され、視神経の脱髄が推定される原因不明の視神経炎である。
視神経を栄養する血管の循環障害がきっかけで起こります。病因としては、血管の炎症によるものと、高血圧[4]、動脈硬化、糖尿病[5]などが基礎にあって血液の流れが悪くなる場合とがあります。
主に、眉毛部外側の打撲によって、視神経管で視神経が障害されることによる同側の視力、視野障害のことをいいます。重症の場合では光覚(こうかく)を失うこともあります。
眉毛部の打撲傷に伴う同側の著しい視力低下や、視野障害が起こります。
視神経萎縮を起こす遺伝病です。10~30歳代の男性で、両目の急激な視力障害で発症します。短期間のうちに視神経萎縮に至るといわれています。
発症年齢は10歳未満で男女差はありません。
初期には視か低下の他に第3色覚異常様の色覚異常を示します。乳頭の耳側から次第に退色するのが特徴です。 視か低下は緩徐であり、0.2~0.3以上の視かを保持する例が多いが、高齢になると視力低下が更に進行する例があります。
神経に毒性のある物質の摂取や暴露により発症する視神経症です。
梅毒の2期以降の時期に視神経障害が起こったものを総称する。 梅毒(Treponema pallidum)によるが、病型は視神経周囲炎、進行性の両眼性視神経萎縮ぶどう膜炎を伴うものなどがあります。 治療として駆梅療法を行う。
眼窩内又は頭蓋内(トルコ鞍付近)における腫瘍性病変が原因で視神経障害を起こします。 特に視神経膠腫、視神経鞘髄膜腫は視神経自体に発生する腫瘍で失明原因となります。
多くは、外傷の衝撃による視神経管内での視神経線維の血管原性浮腫(けっかんげんせいふしゅ)や循環障害が原因です。稀に、視神経管内の血腫による圧迫や、視神経管骨折による視神経の直接損傷が認められる場合があります。
自覚症状としては「光の見え方がおかしい」「明かりが暗く見える」「よく物をこぼす」「下り階段が平坦に見える」「よく転ぶようになる」などといった症状が挙げられます。この症状は急激に起こります。
初期の時点で適切な治療を行えば、初発の80%の方は後遺症も少なく(視力低下は避けられませんが)、通常の生活を送る事ができます。 初発でも20%の方は再発してしまいます。
一度損傷した神経は戻らないため、再発前と同じような視力・視野を得る事はできません。 再発した方は高確率で複数再発するとされています。
その度に後遺症により視力や視野の低下が見られます。
発覚が遅かった場合(視野狭窄が進んでしまい半失明状態になってからの治療)や、複数再発例の場合、半永久的な光覚消失を引き起こしてしまう事があります。
骨折が認められる場合 脳外科による観血的(かんけつてき)治療(視神経管開放手術)が必要になります。術後は後述の薬物療法も併用します。
また、積極的薬物治療に反応していったん回復した視機能が再度悪化する場合は、血腫の存在が疑われるため、視神経管減圧術を行うことがあります。
骨折が認められない場合 高張浸透圧薬 マンニトールなどの点滴 副腎皮質ステロイド[27]薬(プレドニゾロン錠[28]など)の点滴 視神経管内の視神経線維の浮腫を軽減させます。
同時に、神経保護作用のあるビタミンB12製剤(メチコバール錠[18]など)や循環改善薬を処方します。 受傷後より光覚消失が持続するような重症の場合は、
いずれの治療法においても視力予後は不良です。
視神経障害の原因となりうるものは、タバコ、アルコール、結核治療に用いられる薬物、シンナー、農薬などです。
治療の第一歩は、これら視神経障害の原因となる物質との接触を断つことです。
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