RBC
血液中にある細胞を血球といいます。血球には、大別すると赤血球、白血球、血小板の3種類がありますが、そのうち一番多いのが赤血球です。赤血球には、肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に運ぶ働きがあり、そのあと、組織細胞が放出した二酸化炭素(炭酸ガス)を肺に送り返す働きもあります。
赤血球は骨髄でつくられ、血液中に送り出されます。その寿命は120日とされ、毎日4~5万個/μℓがつくられる一方で、肝臓や膵臓で壊されています。赤血球はその中にたくさんのヘモグロビン(血色素)を持っていて、酸素を運ぶときに重要な働きをしています。
- 基準値
男性 427万~570万/μℓ
女性 376万~500万/μℓ
何がわかるのか
血液中の赤血球の数はほぼ一定に保たれていますが、もしも数が少なくなると、酸素を運ぶ能力が低下するため全身への酸素の供給が不足してしまいます。これが貧血です。
逆に赤血球の数が多くなりすぎるときがあります。これを多血症といい、血液が固まりやすく、脳梗塞や心筋梗塞を起こします。
どのような検査か
血液を採取し、自動血球計数器にかけて検出します。そのとき同時に白血球数、血小板数、網赤血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリットを調べることができます。
また、貧血の診断に大切な赤血球指数を算出します。赤血球指数には、以下の三つがあり、これらを検討することで貧血の種類を診断します。
平均赤血球容積(MCV)
ヘマトクリット÷赤血球数で算出するもので、赤血球の平均容積つまり大きさが分ります。
- 基準値
男性 82.7~101.6fℓ
女性 79.0~100.0fℓ
ヘモグロビン量÷赤血球数で算出します。1個の赤血球に含まれるヘモグロビン量の平均値が得られます。
- 基準値
男性 28.0~34.6pg
女性 26.3~34.3pg
平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)
ヘモグロビン量÷ヘマトクリットで算出します。一定量の赤血球の中にどれくらいヘモグロビンがあるかが分ります。
- 基準値
男性 31.6~36.6%
女性 30.7~36.6%
検査を受ける時の注意
検査の前に多量の水を摂ったり、逆に水分を摂らずに脱水になることのないように注意して下さい。
検査結果の判定
基準値より低い場合は貧血、高い場合は多血症と診断されます。貧血は原因によって、いくつかの種類に分類されますが、MCVとMCHCの数値を比較することで、それを診断することが出来ます。
- MCVが上昇しMCHCが正常
大球性色素性貧血(悪性貧血といわれるものでビタミンB12や葉酸の不足が原因)
- MCVもMCHCも正常
正球性色素性貧血(赤血球が脊髄でつくられない再生不良貧血、赤血球が破壊される溶血性貧血など。)
- MCVもMCHCも低下
小球性色素性貧血(鉄欠乏性貧血のことで、鉄の欠乏によって起こり貧血の大部分を占めます。)
異常な場合に疑われる病気