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複合性局所疼痛症候群 :: 医療 Wiki

illness:複合性局所疼痛症候群

CRPS 概要 anchor.png

複合性局所疼痛症候群は、Complex Regional Pain Syndrome(CRPS)の日本語の病名です。
骨折、捻挫、打撲等の外傷等をきっかけにして、慢性的に痛みや腫れ、自律神経症状が持続し、筋肉の持続的収縮、関節運動の制限を起こします。
発症の男女比率は女性の方が高く、特に小児では女子が多い。

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CRPSの分類 anchor.png

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Type1 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD/CRPS) anchor.png

明確な神経損傷が無い場合

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Type2 カウザルギー(Causalgia) anchor.png

肉眼的又は電気診断学的に神経損傷を有する場合
検査上異常が無くても神経損傷が存在する場合もあり、臨床的に明確な区別 はされません。

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原因 anchor.png

通常、交感神経系は、外傷後、数分から数時間で定常状態に戻ります。しかし、RSD/CRPSを発症する人は、交感神経系に異常機能を呈します。
理論的には、外傷部位におけるこの交感神経活動が炎症反応を引き起こし、それが血管を攣縮させ、さらなる腫脹と疼痛に導きます。この現象はさらに疼痛を増幅し、他の反応の引き金となり、痛みの悪循環が出来上がります。

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症状 anchor.png

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疼痛 anchor.png

RSD/CRPSの顕著な特徴は疼痛と運動障害です。複数の手足に、激しく深く疼く痛みが持続します。皮膚を軽く叩くと、一回ごとに痛みが増加し、叩くことを止めても持続する痛みの感覚が残ることがあります。 小さな筋肉の痙攣により、広い範囲に圧痛部位あらわれる場合があります。また、突然生じる鋭く突く痛みがあらわれる場合もあります。

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皮膚の変化 anchor.png

皮膚は光沢、乾燥または鱗状態になります。体毛は初期には固く、やがて細くなります。爪は、初期には割れやすく速く伸び、やがて伸びにくくなります。RSD/CRPSは、発疹、潰瘍、膿疱といった多様な皮膚疾患を併発します。極めて希に、生命の危機に及ぶような再発性の皮膚感染により手足の切断が必要となる場合があります。
異常な交感神経(血管運動の変化)の活動によって、触れると暖かいまたは冷たい皮膚になる場合があります。
患者は手足に触れることなく温感や冷感を知覚することがあります。皮膚に発汗の増加や鳥肌を伴う冷感の増加が現れる場合もあります。
皮膚の色の変化には白い斑点から赤または青の状態まで幅がある。

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腫脹 anchor.png

圧痕が残るような固い(盛り上がった状態の)腫脹は、通常、広範囲に至り、
痛みがあり過敏となった部分に限局する。腫脹が皮膚の表面に線で明確に区分けされるような状態ならば、患者がRSD/CRPSであるという確かな証拠となる。
しかしながら、ある患者では、心地良さのために患肢に巻いたバンドのせいで、はっきりと境界線のある腫脹を生ずることがある。
従って、明確に区画された腫脹が患肢の周りに巻かれていた包帯によるものでないことを確認しなければならない。

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運動障害 anchor.png

RSD/CRPSの患者は動作時に疼痛があるため、運動障害が出ます。手足の運動の低下は筋肉の衰弱につながります。筋肉に起こる急激な痙攣は重篤で、完全に活動のできなくなる場合もある。
RSD/CRPSの患者は、力が手足に加えられたときに、疼痛のためにギブ・ウェイ・ウィークネス(筋力はあるのに急に力が入らなくなる現象)が起こります。また、筋収縮を持続させることが難しいので、ギブ・ウェイ・ウィークネスを起こしやすい。

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症状の拡大 anchor.png

初期には、RSD/CRPSの症状は一般的に外傷部位に限局して見られる。
時間の経過により、疼痛と症状はより広範にみられる傾向がある。典型的には病気は四肢に始まるが、疼痛が体幹または顔面の横に発生する場合がある。逆に、病気が四肢の遠位から始まり、体幹や顔面へ広がって行くこともある。この段階では、全身の1/4が罹患する場合もある。
RSD/CRPSにおける症状の拡大には3種類のパターンのあります。

  • 「連続型」の拡大。
    症状は、例えば手から肩へと、初めに罹患した部位から上の方へ広がる。
  • 「ミラーイメージ型」。反対側への拡大。
  • 「独立型」
    症状は身体の離れた部分へ拡大。この拡大の型は二次的な外傷に関連している可能性があります。
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骨変化 anchor.png

X線写真で骨萎縮(斑状の骨粗鬆症)が見られたり、骨シンチグラムである種の放射性物質(テクネシウム99m)の静脈内注射後に、骨における取り込み促進または低下の見られる場合があります。

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RSD/CRPSの罹患期間 anchor.png

RSD/CRPSの罹患期間は多様で、軽症の場合は、数週間後に寛解しますが、多くの場合、疼痛は何年にも渡り、永遠に続く場合もあります。寛解と再発を繰り返す人もいます。

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診療科 anchor.png

整形外科

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診断 anchor.png

罹患部位に、誘因に対して不釣合いな痛みを伴う外傷の履歴に、以下に記された項目の一つ以上が加わります。
交感神経系の機能異常 腫脹 運動障害 組織成長の変化(異栄養症と萎縮) RSD/CRPSと診断されるために上記のすべてを満たす必要はありません。

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病期 ステージ anchor.png

  • 注意事項 RSD/CRPSの病期分類は既に廃れた概念です。疾患の進行は様々な患者にあって予期できないものであり、病期分類はRSD/CRPSの治療においては役立ちません。
    RSD/CRPSの各病期の下記の症状が全てが現れるというわけではありません。病気の進行も個々の患者によってかなり異なっています。病期I及び II の症状は一年以内に顕在化します。病期 III には進まない患者もいます。
    さらに、初期段階(病期 I 及び II )の症状のうちあるものは、病期 III への進行することにより消失する場合があります。
    下記の病期は単に歴史的な重要性ゆえにガイドラインに掲載しています。
  • 病期 I
    外傷部位に限局された疼痛の発生 接触または軽い圧力への皮膚過敏性の増大(触覚過敏) 局所腫脹 筋痙攣 硬直、可動域の制限 発症時、通常皮膚は暖かく赤味を帯び乾燥するが、その後、外見上青くなり(チアノーゼ)、冷たく汗ばむようになる。
    発汗の増加(多汗症) 軽症の場合、この病期が数週間続き、その後、自然に治まるか迅速に治療に反応する。
  • 病期 II
    痛みはより強く、より広範囲になる。 腫脹は拡大し、柔らかいタイプから固い(盛り上がった)タイプに変わる傾向がある 体毛は固くなり、
    その後少なくなる。爪は速く伸び、その後ゆっくり伸びるようになり、もろく、ひびが入り、ひどい溝ができる。 局所的な骨萎縮(骨粗鬆症)は早期に起こるが、より重症化し、拡大する場合がある。 筋萎縮が始まる。
  • 病期 III
    組織の顕著な萎縮が最終的に不可逆的になる。
    多くの患者にとって疼痛は耐えがたいものとなり患肢全体に広がる。 患者の数パーセントは全身に広がったRSDとなる。
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炎症性持続痛 anchor.png

非ステロイド系抗炎症薬

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非炎症性持続痛 anchor.png

典型的な機序を介さず中枢神経系に作用する薬剤

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持続痛、あるいは自発性(発作性)疼痛と睡眠障害 anchor.png

抗うつ薬

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自発性(発作性)疼痛 anchor.png

抗痙攣薬は、持続痛を同様に緩和する場合がある。

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治療法 anchor.png


Last-modified: 2013-06-21 (金) 22:41:21 (JST) (3971d) by seriza