自律神経障害とは、交感神経と副交感神経という、相反して作用する二つの自律神経のバランスが崩れた時に起こる症状です。
起立性低血圧や勃起不全など、全身の症状から精神的な症状まで幅広い症状が現れます。
自律神経系は、意のままにならない身体の機能(心拍数、血圧、呼吸、瞳孔の大きさ、消化、体温、性機能など)をコントロールしています。
自律神経障害が起きると、これらの機能に異常が生じます。
症状は、頭痛、耳鳴り、脈拍の異常、心機能の異常などの身体的なものから、不眠症や被害妄想といった精神的なものまで多種多様です。
立ち上がったときの急激な血圧降下により、めまいやふらつき(起立性低血圧)が生じやすいのも特徴です。発汗量の減少による眼や口の乾燥もしばしば見られます。瞳孔の大きさを調整できず、光の変化に伴う瞳孔の散大や収縮が起こらなくなるケースもあります。
胃から内容物が送り出されるペースが非常に遅くなるため(胃不全麻痺)、食事をするとすぐに満腹感を覚えがちで、嘔吐することさえあります。
膀胱の活動が過剰になることで尿が漏れることもあれば(尿失禁)、逆に膀胱の活動が弱まって排尿が困難になる(尿閉)こともあり、便秘になったり排便を制御できなくなったりすることもあります。
自律神経障害の原因として一般的に挙げられるのがストレスです。
精神科、心療内科、泌尿器科
自律神経障害そのものの治療は、末梢神経障害と同様に血糖[3]コントロールが第一です。しかし、徐々に進行した自律神経障害そのものを急速に改善することは一般に困難です。そのため、自律神経障害による二次的な事故を防ぐことが重要な治療目標になります。
狭心症[4]の症状が典型的でなくなる無痛性心筋虚血であれば、定期的な心電図、心エコー、心筋シンチグラフィなどで虚血の早期発見に努めます。
起立性低血圧であれば、夜間や朝の起床時、トイレや入浴後はゆっくりと立ち上がるよう指導することが、現実的な対策です。
自律神経障害が進んでいるような糖尿病[9]の患者さんは、高血圧[10]となっていることが多いので、起立性低血圧だからといって血圧を上げる薬剤は通常用いません。
排尿障害で膀胱が拡大する神経因性膀胱が疑われれば、泌尿器科の診察を受ける必要があります。神経因性膀胱があると尿路感染症の危険が増すので、定期的排尿やカテーテルを用いた治療を行う場合があります。
勃起障害は、障害の程度を把握してシルデナフィル(バイアグラ錠[11])、バルデナフィル(レビトラ錠[12])、タダラフィル(シアリス錠[13])を試みます。
低血糖[3]無自覚の疑いがあれば、血糖[3]の測定回数を増やしてインスリンの投与方法を細かく合わせたり、血糖[3]コントロール目標を高めにする場合があります。低血糖[3]がまったく自覚できない場合は、自動車の運転や機械の操作は事故を起こす可能性が高いので許可することは出来ません。
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