SCD 概要
小脳及びそれに関連する神経路の変性を主体とする原因不明の変性疾患の総称でである。
オリーブ橋小脳萎縮症、マシャド・ジョセフ病など種々の疾患が含まれており、英語のspino cerebellar degeneationの頭文字をとり、SCDともいわれます。
病態
小脳半球の皮質の障害 ある目標に向け運動を行った際、行きすぎ、足りないなどの測定障害がみられる。 小脳前葉の障害 歩行の失調がみられ、千鳥足となる。
Friedreich病
好発症年齢20歳以下、常染色体性劣性。
小脳性運動失調と深部知覚障害による運動障害が合併する。一般的に上肢より下肢に病変が強く認められる。 腱反射消失、断綴性言語、眼球震盪がみられる。 心筋症、不整脈などを伴う。 錐体路徴候はほとんどみられない。
遺伝性痙性麻痺
発症年齢15歳以下。常染色体優性または劣性。
下肢の痙性麻痺を主体とする錐体路症状が前面にでる。 小脳症状、知覚障害をみない。 経過は緩徐進行性で、20年ぐらいで車椅子生活となる。
オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)
好発年齢40~50歳、男性に多いとされている。
小脳性運動失調で発病することが多いが、歩行障害で気づかれる場合もある。 発病後しばらくして錐体外路症状(パーキンソン様症状)をみる。
錐体路徴候、排尿障害、ときに知能低下をみることもある。
晩発性小脳皮質萎縮症(LCCA)
初老または老年(50~70歳)に好発し、男性に多いとされる。
小脳性歩行障害を主体とする症状を示す。 ときに錐体路徴候、知能低下を伴うが、錐体外路徴候は明らかではない。
薬
- ヒルトニン注射液(一般名:プロチレリン酒石酸塩水和物注射液)
ヒルトニンは、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)という人体にもともと存在する成分から作られています。
- セレジスト錠(一般名:タルチレリン水和物)
一部の人で症状を軽減し、進行を遅らせる効果があります。
リハビリテーション
理学療法士、作業療法士による訓練やADL調整により不自由な手足でも日常生活上、使いやすくすることが出来ます。