- 概要
- コレステロールとは
- 症状
- 診療科
- 診断基準
- 合併症について
- 薬
- 治療法
2007年7月に高脂血症から脂質異常症に改名された。 体の血液中に含まれる脂質が過剰、もしくは不足している症状である。
コレステロールとは [2]
身体の細胞膜を作るための材料です。またホルモンを産生するための重要な成分です。
コレステロールは中性脂肪と共にリポタンパクという物質にとりこまれ、血液に流れ全身の細胞で利用されます。 しかし、余分なコレステロールは血管に付着し、動脈硬化の原因となります。
- リポタンパクの種類
- LDLコレステロールは肝臓から全身へコレステロールを運搬する役割を持ちます。
- HDLコレステロールは各部位の細胞で使いきれなかった余分なコレステロールや動脈壁に蓄積したコレステロールを肝臓に戻す役割があります。
脂質異常症の診断基準(空腹時採血)
高LDLコレステロール血症 | LDLコレステロール | 140mg/dL以上 |
低HDLコレステロール血症 | HDLコレステロール | 40mg/dL未満 |
高トリグリセライド血症 | トリグリセライド | 150mg/dL以上 |
- この診断基準は薬物療法の開始基準を表記しているものではない。
- 薬物療法の適応に関しては他の危険因子も勘案し決定されるべきである。
- LDL-C値は直接測定法を用いるかFriedewaidの式で計算する。
[LDL-C]=[総コレステロール(TC)]-[HDL-C]-[トリグリセライド]×1/5
(TG値が400mg/dL未満の場合)
- TG値が400mg/dL以上の場合は直接測定法にてLDL-C値を測定する。
合併症について [6]
高LDLコレステロール血症は、心筋梗塞[7]を引き起こすことがある。
高TG血症は、動脈硬化発症を引き起こす。
黄色腫(皮膚に出来る黄色い腫瘤)
- 食事療法
コレステロールを多く含む食品を減らします。
食物線維を多く含む野菜などを積極的にとるようにします。 トリグリセライド(中性脂肪)の高い人は糖質やアルコールを控えます。
肥満を解消、予防するために摂取カロリーのコントロールなどを行います。
- 運動療法
適度なウォーキングなどの有酸素運動を続けることにより、トリグリセライド(中性脂肪)を減らし、HDLコレステロールを増やす効果があることが分かっています。また、運動は肥満の予防や解消に役立ちます。
心臓、腎臓、関節などに病気[10]がある方は、運動をすることにより支障を来たす場合がありますので、医師の指示のもと行うことが大切です。
- 薬物療法
主にLDLコレステロールを下げる薬や、トリグリセライド(中性脂肪)を下げる薬を服用します。2~3ヵ月服用しても、脂質管理目標値まで下がらない場合は、薬の変更や増量が検討され、数種類の薬を服用する場合もあります。 薬の効果や、副作用がないかどうかを確認するために、定期的に血液検査が必要です。
- LDLアフェレーシス
LDLアフェレーシスとは、腕などの静脈から血液をゆっくり取り出し、血液中からLDLコレステロールだけを取り除いて、血液を再び戻す治療法です。
対象者 家族性高コレステロール血症の方 脂質異常症以外の病気[10]も持っている方で、LDLコレステロール値が非常に高くなっている方 薬を飲んでもLDLコレステロール値が下がらない方や、急いで下げる必要がある状態の方