- 概要
- 症状
- 原因
- 種類
- 原発開放隅角緑内障
- 正常眼圧緑内障
- 原発閉塞隅角緑内障
- 発達緑内障
- 続発緑内障
- 診療科
- 検査
- 診断
- 病期 ステージ
- 合併症
- 薬
- 治療法
緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、視野が狭くなる病気[2]です。治療が遅れると失明に至ることもあります。
症状は、少しずつ見える範囲が狭くなっていきます。しかし、その進行は非常にゆっくりで、両方の目の症状が同時に進行することは稀なので、病気[2]がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
緑内障は、中高年の方に起こることが多い病気[2]です。
緑内障による視神経の障害は、目の硬さである眼圧が、その人の耐えられる眼圧より上昇することによって引き起こされます。
眼圧は眼の中の水(房水)の量によって決まります。房水は、隅角という部分から、フィルターにあたる線維柱帯、出口となるシュレム管を通って眼の外に出ていきます。
原発開放隅角緑内障 [6]
房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。ゆっくりと病気[2]が進行していく慢性の病気[2]です。
正常眼圧緑内障 [7]
眼圧が正常範囲(10~21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます。これを正常眼圧緑内障と呼び、開放隅角緑内障に分類されます。
緑内障の約7割が正常眼圧緑内障であり、また欧米にくらべて日本人に多いことがわかりました。
原発閉塞隅角緑内障 [8]
隅角が狭くなり、ふさがって房水の流れが妨げられ(線維柱帯がふさがれて)、眼圧が上昇します。慢性型と急性型があります
生まれつき眼内の水の流れ路が未発達であることから起こる緑内障です。
外傷、角膜の病気[2]、網膜剥離、目の炎症など、他の目の疾患による眼圧上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬剤による眼圧上昇によっておこる緑内障です。
- 眼圧検査
直接、目の表面に測定器具をあてて測定する方法と目の表面に空気をあてて測定する方法があります。
緑内障治療経過を確認するための重要な検査です。
- 眼底検査
視神経の状態をみるために、視神経乳頭部を観察します。視神経が障害されている場合、陥凹(へこみ)の形が正常に比べて変形し、大きくなります。緑内障発見のための必須の検査です。
- 視野検査
視野の欠損(見えない範囲)の存在の有無や大きさから緑内障の進行の具合を判定します。
一度障害を受けた視神経は元には戻らないため、緑内障を完治させることはできません。
緑内障の治療は、視神経がダメージを受けてこれ以上視野が狭くならないように、眼圧を下げることが基本となります。
- 点眼薬
眼圧を下げる効果のある目薬を点眼します。具体的には、房水の産生を抑える効果がある薬や、房水の流出を促す効果がある薬を点眼して、眼圧を低下させます。もともと眼圧が高くない人でも、眼圧を下げることによって、病気[2]の進行を抑えることができます。
- 外科的治療
点眼薬を使っても、視野の欠損が進行する場合には、外科的治療を行います。
レーザーを房水が排出される部分(線維柱帯)に照射し、房水の流出を促進する「レーザー療法」や、手術で線維柱帯の一部を取り除いて房水の逃げ道をつくる「線維柱帯切除術」などがあります。