しかし筋肉そのものの病気[2]ではありません。筋肉を動かし、運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害を生じて、脳から「手足を動かせ」という命令が伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。その一方で、体の感覚や知能、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれることが普通です。
多くの場合は、手指の使いにくさや肘から先の力が弱くなり、筋肉がやせることで始まります。話しにくい、食べ物がのみ込みにくいという症状で始まることもあります。いずれの場合でも、やがては呼吸の筋肉を含めて全身の筋肉がやせて力がはいらなくなり、歩けなくなります。
のどの筋肉の力が入らなくなると声が出しにくくなり(構音障害)、水や食べ物ののみこみもできなくなります(嚥下障害)。
また、よだれや痰が増えることがあります。呼吸筋が弱まると呼吸も十分にできなくなります。進行しても通常は感覚や知能は問題なく、眼球運動障害や失禁もみられにくい病気[2]です。
原因は不明ですが、神経の老化と関連があるといわれています。
TDP-43[5]の変異あるいはその他の遺伝子変異に起因するすべてのALS患者の約9割では、脳の病巣部の神経細胞でTDP-43[5]の蓄積が見られます。
鑑別診断として以下の疾患などを除外しなければならない。
進展の抑制
痙性麻痺の改善
その他
治癒のための有効な治療法は確立されていない。
対症療法として、呼吸筋麻痺が起こると人工呼吸器を装着する。嚥下障害があると、経鼻経管栄養法や胃に小さな孔をあける胃瘻造設法などによって、 栄養や水分を確保します。
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