交感神経や副腎髄質に発生する悪性腫瘍です。0歳から3歳の間に発病することが多く、5歳未満の発病が90%を占めます。腫瘍は全身にできて、約3分の2が腹部にできます。
初期の状態では、ほとんどが無症状です。
進行してくると様々な症状が現れます。
手足の麻痺、歩行障害、発熱、貧血[3]、腹痛、腹部膨満、不機嫌、呼吸障害、骨の痛み、眼窩出血、膀胱直腸障害 等がおこります。
- 血液検査
血液中の腫瘍マーカー[7]である神経特異エノラーゼ(NSE)、乳酸脱水素酵素(LDH)、フェリチン[8]などが高値を示すことがあります。神経芽腫以外でも高値を示します。
- 尿検査
神経芽腫の腫瘍細胞は、神経伝達物質であるカテコールアミンを産生します。カテコールアミンは、体内で代謝されると、バニリルマンデル酸(VMA)とホモバニリン酸(HVA)となって尿中に排泄されるため、尿検査でこれらの値を調べます。ただし、一部の神経芽腫ではVMA、HVAの量が増えないことがあります。
- 画像検査
腫瘍の大きさや位置、転移の有無などを調べます。
- 稀に母親のお腹の中にいる時に超音波検査で見つかることもあります。
- 病理検査
腫瘍を一部切り取り、顕微鏡で細胞の形や細胞の並びなどを見るみます。
- 骨髄検査
骨髄に針を刺すか一部を切り取って、骨髄の中に腫瘍細胞が存在するか調べます。
- 遺伝子検査[12]、染色体検査[13]
予後を予測するために特定の遺伝子変異や染色体異常がないか確認します。
確定診断は、腫瘍摘出や生検により採取した腫瘍組織を顕微鏡で診断して決定します。
DNA合成を阻害し、抗腫瘍効果、免疫抑制効果などを示します。
治療は、進行度によって手術や抗がん剤治療、放射線治療などを行います。
リスク分類により、リスクが低い場合には手術だけを行う場合もあります。
手術や放射線療法と組み合わせて行います。
抗がん剤(シスプラチン・シクロホスファミド・ドキソルビシン・カルボプラチン・エトポシド など)による治療を行います。