甲状腺ホルモン[2]の分泌が低下して活動性が低下する病気[3]です。その代表的な病気[3]が橋本病[4]です。圧倒的に女性に多く、男女比は1:10以上の比率です。 甲状腺そのものに異常が生じて機能が低下する病気[3]を総称して、原発性甲状腺機能低下症といいます。
誕生の前後に、新生児自身に甲状腺ホルモン[2]の作用が十分でない場合に発症することがあります。クレチン症は先天的な病気[3]で原因は詳しく分っていません。
先天的に甲状腺がない、小さい、あるいは甲状腺は形成されていても甲状腺ホルモン[2]の分泌能力がなかったり、著しく低い状態であることが原因で発症します。
甲状腺そのもには異常はありませんが、甲状腺ホルモン[2]の産生、分泌を外からコントロールするシステムに異常が生じて、甲状腺ホルモン[2]の産生、分泌がうまくいかなくなる病気[3]です。中枢性とは、中枢神経系の下垂体[7]と視床下部[8]をさします。脳の下垂体[7]は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を通じて甲状腺の働きを調整しています。また、下垂体[7]は、さらに視床下部[8]から分泌されるTSH放出ホルモン(TRH)によって、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌をコントロールされています。
女性が出産の際に大量の出血をすると、その影響で下垂体[7]に血液を届けている動脈が詰まり下垂体[7]が壊死してしまう場合があります。そのため下垂体[7]の機能が低下したり、なくなってしまうため、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が低下し甲状腺ホルモン[2]の分泌にも支障が生じます。
甲状腺細胞にあるTSH受容体に異常があり、下垂体[7]から分泌されるTSHの刺激を受けず、甲状腺ホルモン[2]の分泌ができなくなります。
甲状腺から分泌され、全身の細胞に作用して細胞の代謝率を上昇させる働きがあるあみの酸誘導体[15]のホルモンのことです。
トリヨードサイロニン(トリヨードチロニン、triiodothyronin、T3)とサイロキシン(チロキシン、thyroxin、T4)の2種類の甲状腺ホルモン[2]があります。
これらは、ホルモン1分子中のヨードの数が違います。 血中を循環する甲状腺ホルモン[2]のほとんどはT4ですが、生理活性が強いのはT3です。甲状腺からはT3、T4の他に、かるシトニンと呼ばれる別の生理作用を持つホルモンも分泌されますが、これは甲状腺ホルモン[2]とは異なります。
橋本甲状腺炎により甲状腺が徐々に破壊されるにつれて甲状腺の機能低下が進行します。 痛みのない亜急性甲状腺炎と痛みを伴う亜急性甲状腺炎は、ともに一過性の甲状腺機能低下を起こします。 また、甲状腺機能亢進症[17]や甲状腺癌の治療で使われる放射性ヨード治療または甲状腺の外科的除去のために、甲状腺ホルモン[2]が作られなくなった場合にも起こります。 多くの開発途上国では、慢性的なヨード不足の食事が甲状腺機能低下症を引き起こします。
甲状腺細胞中の異常酵素が、甲状腺の十分な甲状腺ホルモン[2]の産生と分泌を妨げる遺伝性の病気[3]により起こります。
甲状腺を正常に刺激する甲状腺刺激ホルモンを、視床下部[8]も下垂体[7]も十分に分泌できない場合に起こります。
甲状腺ホルモン不応症[19]・TSH受容体異常症などの難治性疾患により、何らかの理由で甲状腺ホルモン[2]を活性化できない体質の方が少数ながらおり、
この時も数値以外は甲状腺機能低下症と同じ症状を呈する事があります。
甲状腺ホルモン[2]が不足すると、身体機能が低下します。
貧血[21]が起こりやすくなり、低体温となり、夏でも汗をかかなくなります。多くの患者は体重が増え、便秘で、冷え性になります。
無月経になることもよくあります。 顔の表情が乏しくなり、まぶたは垂れて、眼と顔や手足が浮腫みます。声がかすれ、話し方が遅くなります。
毛髪は薄くて粗くパサツキやすく、まゆ毛の両端が次第に抜けます。皮膚はきめが粗く、乾燥しやすく、ウロコ状に厚くなります。
手根管症候群 手がうずいて痛むことがあります。
検査のみなら一般内科でも可能、治療するなら内分泌代謝内科をお勧めします。
甲状腺専門の内科もありますが、合併症が起きていない事が第一条件となる事をご理解下さい。
錯乱、意識喪失や昏睡(粘液水腫昏睡)を生じ、呼吸が遅くなり、発作や脳への血流が低下する致死的な合併症に進行することがあります。
甲状腺ホルモン[2]の投与を行います。甲状腺ホルモン[2]として、チラーヂンS錠[27](サイロキシン)の錠剤を服用します。少量から始め、甲状腺ホルモン[2]と甲状腺刺激ホルモンを測定して、正常域に入ったことを確認後、その量を長期にわたり服用します。薬の副作用が起こることはありません。
甲状腺ホルモン[2]の投与と並行して、食事・運動療法が採用される事があります。これは、生活習慣病を合併しやすいという甲状腺疾患特有の現象でもあり、生活習慣病を避けるために、正常期に入ってから提案されます。
何よりも、患者さんがストレスを感じる事なく生活できる事が、この病気[3]とうまく付き合うための一番の秘訣とも言われています。
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