甲状腺とは、首の前面にある器官の名前でエネルギー代謝や生殖などを調整する甲状腺ホルモン[2]を分泌している場所です。
何らかの原因で、このホルモンが亢進して様々な異常を引き起こした状態を甲状腺機能亢進症と呼びます。
代表的な疾患には、バセドウ病[3]、プランマー病、無痛性甲状腺炎などがあります。
20~30代で多く見られ、男女比では1:5と、甲状腺の病気[4]は圧倒的に女性が多く、成人女性の10人に1人は何らかの甲状腺疾患を持っているとされています。
首が腫れる、眼球の突出、動悸、体重減少、暑がり、イライラする、集中力低下など。
- メルカゾール(一般名:チアマゾール)*1
甲状腺ホルモン[2]の合成を抑制*2 して、その分泌を減らします。結果的に、甲状腺機能亢進症のいろいろな症状が改善されます。
- 薬物療法
メルカゾールやチウラジールなど甲状腺ホルモン[2]を抑える抗甲状腺薬を服用する方法。
長期的にホルモン量を測定しながら、適切な量を服用する事で甲状腺ホルモン[2]の正常化を試みます。
年齢問わず妊婦さんも使用出来ますが、完治するまでには非常に長い時間が要求されます。
薬によって白血球が減るなどの副作用が出る可能性が高いと言うデメリットが存在します。
正常化しても中止すれば再発する可能性が高い事から、殆どの場合2~3年は服用しなくてはなりません。
- 外科的療法
甲状腺を一部摘出する方法、甲状腺を切り離す事でホルモン量の調整を図ります。
他の療法よりも完治が早くて再発も少ないメリットを持つ反面、2~3週間入院する必要や傷跡が目立つと言う難点もあります。
また、手術によって合併症を起こす恐れも考えられます。
- 放射線治療
アイソトープなど放射線によって甲状腺の細胞を減らし、分泌ホルモン量を調整する方法。
手術よりも手軽で短期間での治療が期待出来ますが、逆に細胞を破壊しすぎて甲状腺機能の低下を引き起こす可能性や、治療後1年間は避妊しなくてはいけないと言った問題が生じてきます。