CTEPHは、chronic thromboembolic pulmonary hypertension 略称で、「シーテフ」と呼ばれています。
CTEPHでは、肺の血管の内側に血のかたまり(血栓)が詰まり、血液が流れにくくなって、肺動脈へかかる圧が上昇する肺高血圧[2]症と呼ばれる状態が続きます。
肺と心臓の血液の流れが悪くなるので、息苦しさや身体のだるさ、胸の痛みなど様々な症状があらわれます。
何らかの異常によって、血管の内部に血のかたまりができることがあります。これが血栓です。 その血栓が、血管からはがれて血液の流れに乗り、その先の別の血管に詰まってしまうことを塞栓といいます。
通常、血栓は身体の自然の働きによって溶かされるのですが、血栓が何度も繰り返し、詰まったり溶け方が不十分であったりすると、こびりついた血栓が固くはがれにくくなり、器質化と呼ばれる溶けにくい状態になります。
CTEPHの多くは、腕や脚などの太い静脈にできた血栓が、血流に乗って心臓に達し、さらに心臓から肺へ運ばれると考えられています。
この血栓が溶けずに残り、肺の血管の内部を狭くしたり、ふさいだりして、血液を流れにくくします。
肺の血管の血液が流れにくくなると、肺動脈の血圧(肺動脈圧)の上昇、すなわち肺高血圧[2]症につながります。
上記の検査結果から、総合的にCTEPHと確定診断します。
手術ができない場合は、バルーン肺動脈拡張術(BPA:balloon pulmonary angioplasty)、または経皮経管的肺動脈拡張術(PTPA:percutaneous transluminal pulmonary angioplasty)というカテーテル(中が空洞の細く柔らかい管)治療が行われます。
バルーン肺動脈拡張術の場合、先端に風船のように膨らむバルーンがついた特殊なカテーテルを、頸(くび)や腕、脚などの太い血管から挿入し、血栓のある場所でバルーンで広げて、血液の流れを確保します。
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