急性肝炎とは、主に肝炎ウイルスの感染が原因でおきる急性の肝機能障害を呈する病気[2]です。
肝炎ウイルスは、A型、B型、C型、D型、E型の5種類が確認されています。
急性肝炎は一般的には経過が良好な疾患ですが、ごく一部の患者は劇症化し、一度劇症化すると高率に死に至る可能性が高くなり、肝臓移植治療が必要となることがあります。
黄疸、、褐色尿、食欲不振、嘔気嘔吐、腹痛、全身倦怠感、 発熱、咽頭、頭痛 などがあります。
関節痛、発疹
急性肝炎の初期症状は、いわゆる感冒様症状(発熱、咽頭痛、頭痛)です。
肝障害が生じていることを示す特異的症状は黄疸であり、通常は、眼球の結膜の色の黄染、皮膚の黄染が出現する数日前から褐色尿が観察されます。
褐色尿とは、ウーロン茶のような色をした尿であり、黄疸の進行とともにコカコーラのような色へと色が黒く変化します。黄疸の出現とほぼ同じ時期に食欲不振、全身倦怠感、嘔気、嘔吐などの症状が出現します。
A型やE型は経口感染であり、ウイルスに汚染された水、食物を介して感染します。
B型、C型、D型、型は血液、体液を介してウイルスが体内に入り込むことで感染が成立します。
肝炎ウイルスが体内に侵入してから症状が出現するまでの期間を潜伏期と呼びます。
ウイルス性急性肝炎の潜伏期は通常は、3週間から8週間の範囲ですが、B型、C型では6ヶ月間の潜伏期である場合があります。
各ウイルスに特異的な血液検査をおこなうことで、原因ウイルスの特定が可能となります。
A型 | IgM-HA抗体陽性 |
B型 | IgM-HBc抗体陽性、HBs抗原陽性 |
C型 | HCV-RNA陽性、HCV抗体陽性 |
E型 | IgA-HEV抗体陽性、HEV-RNA陰性 |
非A非B非C非E型 | IgM-HA抗体陰性、IgM-HBc抗体陰性、HCV-RNA陰性、IgA-HEV抗体陰性、抗核抗体[9]陰性(自己免疫性肝炎[10]の否定)、既知のウイルス感染症の否定 |
血液検査では、肝予備能を鋭敏に反映するプロトロンビン時間[12]、へパプラスチン時間という血液凝固機能検査が肝障害の重症度を示します。
また、通常の急性肝炎では意識障害を示すことはありませんが、急性肝炎が劇症化し広範な肝細胞障害が起きると、著しく肝予備能が低下するために肝臓の解毒機能が低下します。
そのため、各種の中毒物質が肝臓で代謝・排泄されず、体内に貯留するために脳機能障害を起こし、昼夜逆転、せん妄、傾眠傾向、昏睡などの症状を呈します。肝予備能の低下が原因で起きる意識障害を肝性昏睡といいます。
プロトロンビン時間[12]と意識障害の程度で、急性肝炎は通常型、重症肝炎、劇症肝炎の3つの重症度に分類します。
一度、劇症化すると高率に死に至る可能性が高くなり、肝臓移植治療が必要となります。
急性肝炎は、その原因ウイルスにより経過と重症度が異なります。
C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
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