動脈から挿入したカテーテルの先端から造影剤を注入して心臓をX線撮影します。ビデオカメラを使用してリアルタイムに撮影します。造影剤によって冠状動脈が映し出され、動脈硬化が進行して血管が狭くなって狭心症[4]の原因となっている場所が見つかり、心筋梗塞[5]で詰まってしまった部位と障害された範囲が分ります。
この検査によって狭心症[4]や心筋梗塞[5]の確定診断をするとともに、治療方針の決定、例えばバルーン療法(PTCA)を行うのがいいのか、それともA-Cバイアス手術がいいのかといったことを判断する材料となります。
急性心筋梗塞[5]の場合には緊急冠状動脈造影を行い、カテーテルの先端から血栓溶解剤を注入して血栓を溶かし、詰まった部分の血流を再開させる治療(PTCR)も行われます。
さらに、バルーン療法やステント(網目状の筒)挿入術を行って、血流の再開をはかる方法も行われています。
方法は冠状動脈造影とほぼ同じで、通常は同時に行われます。動脈から挿入したカテーテルをさらに進めて左心室に届かせ、圧を測定した後、造影剤を注入してX線撮影を行います。
狭心症[4]や心筋梗塞[5]、高血圧[7]性の心肥大の場合には、左心室の働きが低下しますが、それを判定するうえで大切な検査です。
カテーテルを動脈から挿入し、先端を大動脈に到達させて造影剤を注入してX線撮影を行います。解離性動脈瘤や大動脈縮窄症の診断に欠かせない検査です。
先端にバルーン(風船)のついた特殊なカテーテルを使用します。静脈から挿入したカテーテルを、右心房から右心室を経て肺動脈まで届かせます。ここでバルーンを膨らませて圧を測定すると、左心室とほば同じ圧が測定されます。さらに肺動脈、右心室、右心房の圧を測定し、心拍出量も調べます。
この検査で右心機能と左心機能を調べることができ、心不全の診断や、治療方針の決定、治療効果の判定ができます。さらに心房中隔欠損症など先天性の心臓病では、血液中の酸素量を調べることによって、病名や重症度を診断することができ、手術の適否の判断材料にもなります。
組織を採取するための特別のカテーテルを、左心室または右心室まで挿入し、病気[11]が疑われる部分の筋肉をつまんで採取します。これを病理検査して肥大型心筋症、拡張型心筋症[12]、心筋炎などの心筋の病気[11]の診断をします。
検査のため入院が必要で、一般的には前日入院します。検査当日の朝は絶食し、まず血液凝固時間など血液一般検査を行います。検査着に着替えて検査室(アンギオルーム)に入り、カテーテルを挿入する場所の体毛を剃り消毒します。局部麻酔をして切開部からカテーテルを挿入します。
カテーテルを挿入する時に軽い痛みを感じることがあります。造影剤を注入すると体が熱くなってきますが、一時的なもので心配はいりません。
検査時間は30分~1時間です。カテーテルを抜いた後は止血のために約15分間圧迫を続け、止血したら絆創膏で留めます。さらに、止血を確実にするために砂袋をのせて、約6時間圧迫を続けますが、その間はベッドで安静にします。止血が完全になったことを確かめて、起き上がったり歩行が許可されます。
検査だけであれば翌日には退院できますが、多くの場合、検査結果に基づいて治療方針を立てたり、何らかの処置や治療が必要となりますので検査結果の出る数日後まで入院することになります。
造影検査を受ける時、ヨード系の造影剤にアレルギーがある人は、予め申し出ておきます。
検査中、体に力が入っていると正確な画像が撮れないことがあるので、リラックスして体を動かさないようにしましょう。息を止めるように指示された時には、十分に息を吸ってから、きっちりと息を止めてください。
カテーテルが心臓の壁にふれたり、電気生理的検査で刺激を加えた時に動悸を感じることがあります。何か症状が起きたときは、体を動かさないで言葉で伝えて下さい。
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