- 尿沈渣検査
- 何がわかるのか
- どのような検査か
- 検査を受ける時の注意
- 検査結果の判定
- 異常な場合に疑われる病気
尿を遠心分析器にかけると、固形成分が沈殿します。この沈殿物を顕微鏡で調べる検査が尿沈渣です。
- 基準値
赤血球 1視野に1個以内 毎視野に5個以上を異常値とする
白血球 1視野に2個以内 毎視野に5個以上を異常値とする
上皮細胞[2] 1視野に少数 毎視野に多数を異常値とする
円柱 1視野に0
結晶 1視野に少数
何がわかるのか [3]
尿の沈殿物の中に、赤血球や白血球、上皮細胞[2]、結晶成分、円柱(尿の成分が尿細管で円柱状に固まったもの)などが見られたら、腎臓から尿道までの通り道にどこにどのような病変があるかがわかります。
尿タンパク[4]が陽性と出たら必ず行われる検査です。
どのような検査か [5]
尿を採取して試験管に入れ、遠心分析器にかけて、底に貯まった沈殿物をスライドグラスにのせ、顕微鏡で400倍に拡大して観察します。場所を移動しながら、10回~20回調べます。
検査を受ける時の注意 [6]
尿を採取する際には、出始めの尿と終わりの尿を避け、中間尿をとります。汚れがまじらないようにすることが大切です。特に女性は、外陰部の汚れや膣の分泌液、月経血などが入らないように注意してください。
検査結果の判定 [7]
健康な人でも、赤血球やその他の固形物がごく僅かは見られますが、数が多い場合に、どこにどのような異常があるかわかります。
赤血球や白血球は出血があると考えられ、白血球が多い場合には炎症が起きていると考えられます。
上皮細胞[2]は、粘膜などをつくっている細胞で、炎症があると剥がれ落ちて尿中に増えます。
円柱は、腎臓の尿細管を鋳型にして出来たもので、尿細管に異常があると考えられます。
結晶は尿酸などの成分が多いために固まってできます。
それぞれの成分が多いときに考えられる病気[8]です。