子宮は女性の生殖臓器であり、子宮の出口付近(膣に近い部分)を子宮頚部、子宮の上部、袋の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じる癌を子宮頚部癌または子宮頸がん[2]、子宮体部がんまたは子宮体がんと呼び、同じ子宮がんでも区別されます。
子宮体がんの病期(進行の程度)は,基本的には手術で摘出した子宮などの病理検査結果に基づいて決定されます。
子宮体がんは、子宮頚がんや卵巣がん[20]と比較すると放射線療法や化学療法の効果が低いので手術療法が主な治療法となり、癌の存在する子宮を摘出するのが最も一般的な治療法です。子宮体がんの中でも、癌が子宮の出口(子宮頚部)の近くにある場合や、子宮頚部にまで広がっている場合には、子宮と両側付属器に加えて、子宮を骨盤内で支えている靱帯や、膣の一部もとる手術(広汎子宮全摘術)が必要になります。
放射線療法にはX線を体の表面から当てる外照射法と、腟より放射線を当てる腔内照射法があります。
放射線療法は、これを主たる治療法として単独で行われる場合と、手術の後に追加治療として行われる場合があります。
手術後の追加治療が必要となるのは、癌がまだ残っていると考えられる場合、完全な手術療法が行えなかった場合等です。
抗癌剤を投与する治療法です。投与の方法には、内服、筋肉あるいは皮下注射、点滴投与等があります。
また周期は、月に一回投与する方法、毎週投与する方法等があり抗癌剤の効果が認められれば、少なくとも3~6回繰り返されます。
体内に入った抗癌剤は,血流にのって全身を巡り、癌細胞を攻撃しますが,同時に正常な組織もダメージを受けます。
いわゆる女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン[24])と黄体ホルモン(プロゲステロン[25])があります。
これらは正常な状態では卵巣から分泌されています。この二つのうち、卵胞ホルモン(エストロゲン[24])単独では、子宮体癌の増殖に働くとされています。
一方、黄体ホルモン(プロゲステロン[25])は子宮体癌の進行を遅らせる働きがあるといわれています。
ホルモン療法は、妊娠する可能性を残すために子宮を温存したい場合や、全身状態が悪く化学療法が難しい場合が適応になります。
ホルモン療法の副作用としては、血栓症(血管内で血が塊を作る)に注意する必要があります。
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