原発性胆汁性肝硬変は、肝臓内の胆管に炎症が起こります。炎症によって、肝臓から外へと向かう胆汁の流れが妨げられ、胆汁が肝細胞に滞留したり、血流に流れこみます。炎症が肝臓の他の部分に拡がり、格子状の瘢痕組織が肝臓全体へと広がります。
原発性胆汁性肝硬変は徐々に進行します。最初の自覚症状は、痒みや疲労です。
数カ月から数年経過後、指先の腫れ、骨、神経、腎臓の異常といった症状が現れます。
便の色が薄くなり、脂肪を多く含み悪臭がします。その後、肝硬変や脂肪肝の症状やその他の合併症が生じることがあります。代謝性の骨粗鬆症がほとんどの人に起こります。
肝臓が腫れて硬くなり、脾臓の腫大が現れます。病気[3]が進行すると肝臓は縮んで小さくなります。
皮膚には、黄色腫とよばれる黄色い小さな沈着物が生じます。まぶたに生じるものは、黄色板症とよばれます。病気[3]が進行するとほとんどの患者に黄疸が出てきます。
免疫システムの機能に異常が起こり、自分自身の細胞や組織を攻撃する自己免疫反応*1が原因といわれています。
原発性胆汁性肝硬変の患者の多くは、初期症状が現れる前に定期的な血液検査で異常が見つかります。患者の90%以上で、血液中にミトコンドリア*2に対する抗体が認められます。
黄疸や肝機能検査値の異常がある場合には、超音波検査や胆管系のMRI検査[7](磁気共鳴胆道造影)で、肝臓の外にある胆管の異常や閉塞の有無を調べます。肝臓外の胆管に閉塞がみられず、異常部位が肝臓内にあると考えられれば、原発性胆汁性肝硬変の診断が裏づけられます。ミトコンドリアに対する抗体の検出も診断の裏づけとなります。
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