先天的に胆道が拡張する疾患です。
子供のときに見つかることが多く、女児は男児より4倍多いといわれています。東洋人に多い病気[2]です。 肝臓と十二指腸との間にある胆管という部分が拡張しているため、胆汁の流れが悪くなり、黄疸が起こる病気[2]です。胆汁は、十二指腸のなかで食物と混ざり、栄養素の消化、吸収を手助けする重要な役割があります。
その胆汁の流れが悪化すると、食事をしても、消化、吸収がしっかり出来ません。胆汁は特に油物の消化には欠かせない液です。
肝臓の下にある袋状の臓器です。肝臓で作られた胆汁を一時的に溜めておく場所で、必要な時に、胆嚢は収縮し、胆汁を押し出します。
押し出された胆汁は、膵臓から出た膵液と合流して、十二指腸に入ります。 胆汁は特に油物の消化に欠かせない液で、胆嚢は単なるその貯蔵庫なので、胆嚢がなくなっても胆汁は肝臓で作られているので、胆汁の分泌には特に大きな問題はありません。
油物を食べ過ぎた時など胆汁の分泌が追いつかなくて下痢をすることは起こりますが、幼いうちに摘出した場合には、ある程度身体が順応していくことも考えられます。
腹痛、黄疸、腹部腫瘤、間欠的灰白色便が起こります。
最初に受診する科は、内科、外科のどちらでもよいですが、最終的には手術になります。
先天性胆道拡張症は、膵胆管合流異常によって起こる肝外、内胆管、肝臓、膵臓に及ぶ疾患であるので、保存的治療では根治せず、外科治療が必要になります。もし根治術が15歳以降に遅れれば、胆道癌が10%に起こるだけでなく胆嚢癌も起こることがあるため、これを予め防止することも治療の目的の一つとなります。
そのためには癌の発生母地を切除すること、発癌物質を生むと思われる胆汁、膵液の混合をなくすことが必要です。
ル-Y法、肝外胆道切除+肝管腸(空腸または十二指腸)吻合術、ともいいます。
慢性化し合併症を起こす前に拡張した胆道を切除し、腸管を利用した新しい胆汁の通り道を作成する分流手術をします。
手術後の予後は良好ですが、長期の経過のなかでは、肝内の胆管に結石ができたり、胆管炎を併発することがあるので、数か月ごとに通院することが必要となります。
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