- 概要
- 症状
- 原因
- 診療科
- 検査
- 診断
- 病期 ステージ
- 合併症
- 薬
- 治療法
生まれつき脊椎の一部が形成されなかった状態を言います。神経障害を伴わない二分脊椎症もありますが、一般に二分脊椎症と呼ぶ場合にはなんらかの神経障害を伴う二分脊椎のことを意味します。
- 開放性二分脊椎(脊髄髄膜瘤)
脊椎の背中側の骨が一部開いて脊髄などの神経組織が背中に飛び出している。
- 潜在性二分脊椎
骨の開いている部分が正常な皮膚に覆われている。
- 運動麻痺
足が上手く動かせず、歩きにくい、成長に伴い足の変形も起こってくる。
- 感覚麻痺
触った感じ、暑さ、痛みを感じない。
- 膀胱障害
おしっこを上手く出したり、我慢したり出来ない。
- 直腸障害
うんちを上手く出したり、我慢したり出来ない。
二分脊椎の発生には、複数の病因の関与が推定されます。
環境要因としては、胎生早期における葉酸欠乏、ビタミンA過剰摂取、抗てんかん[4]薬の服用があります。
遺伝要因としては、人種、葉酸代謝の多型(遺伝子の型)が知られています。
二分脊椎に因る運動機能障害は多岐にわたり、特に下肢の麻痺や変形、膀胱・直腸障害に因る排泄障害が見られます。
そのため、二分脊椎の治療には脳神経外科、小児外科、泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科を中心に眼科、皮膚科、内科等を含め、総合的なケアが必要とされています。
脊椎・頭部の画像検査(CT、MRIなど)で病変を詳しく観察し、治療を行います。
嚢胞性二分脊椎の診断 [8]
出生前に超音波診断や羊水検査でわかることが多く、遅くとも出生時には外表の所見から明らかになります。
潜在性二分脊椎のの診断 [9]
病変部の皮膚の変化(多毛、血管腫、陥凹など)や脂肪腫の存在が診断のきっかけになりますが、気づくのが遅れることもよくあります。
- 水頭症
二分脊椎症の約70%~80%に発生します。
- 水頭症とは
本来、脳や脊髄は脳脊髄液で満たされて骨の中にあり、脳脊髄液は絶えず脳内と脳脊髄を循環しています。しかし、何らかの原因により循環が阻害され、脳内に脳脊髄液がたまりすぎた状態を水頭症といいます。
脳内に脳脊髄液がたまりすぎると、脳が圧迫され様々な症状が現れます。
- 水頭症の症状
- 未熟児
呼吸が時々止まる。
脈がゆっくりになる。
頭皮に静脈が拡張し、浮き出る。
急速な頭囲の拡大。
- 乳児
周囲の刺激に対して敏感になりすぐ泣く。
嘔吐、食欲不振、首のすわりが不安定、痙攣
- 幼児・学童
頭痛、 嘔吐、物が二重に見える、視力の低下
身体のバランスがとれなくなる。
- けいれん
- キアリ奇形(キアリ2型奇形)
脳が正常より少し下方に変位していることがあり、稀に呼吸や嚥下の障害を認めることがあります。
- 股関節脱臼、側彎症、脊髄空洞症
- 学習障害(発達障害)