血液が凝固して止血するには、まず血管が破れたところに血小板が集まり血栓をつくります。さらに、血液中に溶けているフィブリン(線維素)を水に溶けないフィブリノゲン[2]に変えて、血小板がつくった血栓のすきまを埋めて止血を完全にします。
このフィブリンができるまでには、血管の内外の12因子(血液凝固因子)が関与していて、複雑かつ巧みにコントロールしています。
プロトロンビン(第II因子)は肝臓でつくられ、カルシウムイオン(第IV因子) などの作用でトロンビンに変わり、これがフィブリノゲン[2](第I因子)をフィブリンに変えます。プロトロンビン時間とは、出血が始まってから肝臓でプロトロンビンがつくられるまでの時間を測定する検査です。
12ある血液凝固因子のうち、血管内で働くもの(内因系)と血管外で働くもの(外因系)がありますが、プロトロンビン時間は外因系の凝固因子の異常を見つける検査です。
心筋梗塞[4]や脳梗塞などの血栓症、心臓弁膜症、心臓の手術の時に血の固まりを溶かしたり、固まりにくくする薬(抗凝固剤)を用います。しかし、過剰に投与すると血液が固まらなくなってしまい危険が生じますから、抗凝固剤をどの程度使用したらいいかを調べるために、この検査が行われます。また、プロトロンビンは肝臓でつくられるので、肝機能を見る指標にもなります。
血液を採取して、薬剤を加え、固まるまでの時間を測ります。また、固まりの量を健康な人と比較して、その割合をあらわします。
心臓病などの血栓症予防のために抗凝固剤を服用していると、凝固時間が延長しますから、あらかじめ申し出て下さい。
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