ヒトパピローマウイルス(HPV)は、1983年に独がん研究センターのハラルド・ツア・ハウゼン名誉教授によって発見されました。
これにより、女性のがんとして世界では2番目に多い子宮頸がん[2]は、ヒトパピローマウイルスの一種が子宮頸部に感染することにより発症することが明らかになりました。
「子宮頸がん[2]を引き起こすパピローマウイルス」を発見した独がん研究センターのハラルド・ツア・ハウゼン名誉教授には、2008年度ノーベル生理学医学賞が授与されました。
この研究成果をもとに予防ワクチンが開発され、現在、世界100カ国以上で使われています。
ヒトパピローマウイルス(HPV)は皮膚や粘膜に感染するウイルスで、100種類以上のタイプがあります。このうちの約15種類は子宮頸がん[2]の原因となることが多いため、発がん性HPVと呼ばれています。中でも、HPV 16型とHPV 18型と呼ばれる2種類は、子宮頸がん[2]を発症している20~30代の女性の約70~80%から見つかっています。
発がん性HPVは、多くは性交渉の時に感染します。性器のまわりの皮膚や粘膜との密接な接触などによっても感染することがあるので、コンドームは感染を防ぐ有効な手段ではありますが、完全に防ぐことはできません。
ヒトパピローマウイルス(HPV)にはハイリスク型[4]とローリスク型[4]があり、子宮頸がん[2]を引き起こすのは発がん性HPVといわれるハイリスク型[4]のみです。また、ハイリスク型HPVに感染しても90%以上は体内から自然消失するため、子宮頸がん[2]に進展するのはごくわずかです。全世界で毎年3億人の女性から子宮頸部へのHPV感染がみつかると仮定した場合、そのうちの約0.15%が子宮頸がん[2]を発症すると推定されています。
ただし、子宮頸がん[2]になるまでには、通常、数年~十数年と長い時間がかかるので、定期的な子宮頸がん[2]検診を受けていれば、がんになる前の状態(前がん病変)を発見し、治療することが可能です。
(This host) = https://www.joy-mix.com