- タクロリムスカプセル (製薬会社:ファイザー株式会社)
用法・用量
- 腎移植の場合
通常、移植2日前よりタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。術後初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。維持量は1回0.06mg/kg、1日2回経口投与を標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
- 肝移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量し、維持量は1日量0.10mg/kgを標準とするが、症状に応じて適宜増減する。
- 心移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.03~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。また、拒絶反応発現後に本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1回0.075~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持する。
- 肺移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.05~0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、症状に応じて適宜増減し、安定した状態が得られた後には、徐々に減量して有効最少量で維持する。
- 膵移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最少量で維持する。
- 小腸移植の場合
通常、初期にはタクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。以後、徐々に減量して有効最少量で維持する。
- 骨髄移植の場合
通常、移植1日前よりタクロリムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口投与する。移植初期にはタクロリムスとして1回0.06mg/kgを1日2回経口投与し、以後、徐々に減量する。
また、移植片対宿主病発現後に本剤の投与を開始する場合には、通常、タクロリムスとして1回0.15mg/kgを1日2回経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。
- 重症筋無力症の場合
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。
- 関節リウマチの場合
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。なお、高齢者には1.5mgを1日1回夕食後経口投与から開始し、症状により1日1回3mgまで増量できる。
ループス腎炎の場合
通常、成人にはタクロリムスとして3mgを1日1回夕食後に経口投与する。
潰瘍性大腸炎の場合
通常、成人には、初期にはタクロリムスとして1回0.025mg/kgを1日2回朝食後及び夕食後に経口投与する。以後2週間、目標血中トラフ濃度を10〜15ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与量を調節する。投与開始後2週以降は、目標血中トラフ濃度を5〜10ng/mLとし投与量を調節する。
副作用
重大な副作用
- 急性腎不全、ネフローゼ症候群
- 心不全、不整脈、心筋梗塞、狭心症、心膜液貯留、心筋障害(ST-T変化、心機能低下、心内腔拡大、壁肥厚 等)
- 可逆性後白質脳症症候群、高血圧性脳症等の中枢神経系障害
全身痙攣、意識障害、錯乱、言語障害、視覚障害、麻痺等の症状があらわれる場合がある。 - 脳血管障害
脳梗塞、脳出血 等 - 血栓性微小血管障害
溶血性尿毒症症候群、血栓性血小板減少性紫斑病 等 - 汎血球減少症、血小板減少性紫斑病、無顆粒球症、溶血性貧血、赤芽球癆
- イレウス
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
- 呼吸困難
- 間質性肺炎
発熱、咳嗽、呼吸困難 等 - 感染症
細菌性、ウイルス性、真菌性あるいは原虫性感染症が発現又は増悪することがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。 - 進行性多巣性白質脳症(PML)
意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害 等 - BKウイルス腎症
- リンパ腫等の悪性腫瘍
Epstein-Barrウイルスに関連したリンパ増殖性疾患あるいはリンパ腫(初期症状は発熱、リンパ節腫大 等)があらわれることがある。 - 膵炎
- 糖尿病、高血糖
- 肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P、LDHの著しい上昇 等
その他の副作用
副作用 | 5%以上 | 1~5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 |
血液及びリンパ系障害 | - | - | - | 好中球減少、貧血、血小板増多、血小板減少、白血球増多、白血球減少、リンパ球減少 |
肝臓 | - | - | - | 肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇) |
肝胆道系 | ||||
腎臓 | - | - | - | 腎障害(BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下、尿蛋白)、尿量減少、血尿、多尿、頻尿、残尿感 |
膵臓 | - | - | - | アミラーゼ上昇 |
泌尿器 | ||||
生殖系及び乳房 | ||||
精神・神経系 | - | - | - | 振戦、運動失調、幻覚、しびれ、不眠、失見当識、せん妄、不安、頭痛、感覚異常、めまい、眼振、外転神経麻痺、四肢硬直、傾眠、意識混濁、うつ病、興奮 |
神経系 | ||||
感覚器 | ||||
眼 | ||||
耳 | ||||
循環器 心臓 | - | - | - | 血圧上昇、浮腫、頻脈、動悸、心電図異常、血圧低下、徐脈 |
血管 | ||||
呼吸器 | ||||
消化器 | - | - | - | 胸やけ、消化管出血、腸管運動障害、食欲不振、下痢、腹痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸炎、口内炎、悪心、嘔吐、腹部膨満感、下血 |
皮膚・皮下組織系 | - | - | - | 発疹、紅斑、そう痒、脱毛 |
過敏症 | ||||
下垂体・副腎皮質系 | ||||
免疫系 | ||||
代謝及び栄養 | - | - | - | 高カリウム血症、高尿酸血症、低マグネシウム血症、CK(CPK)上昇、アシドーシス、高コレステロール血症、高リン酸血症、低リン酸血症、高クロール血症、高カルシウム血症、低カルシウム血症、低蛋白血症、低ナトリウム血症、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、尿糖 |
内分泌 | ||||
筋骨格系及び結合組織障害 | ||||
全身 | ||||
感染症 | ||||
投与部位 | ||||
抵抗機構 | ||||
その他 | - | - | - | 疼痛、発赤、眼痛、多汗、口渇、冷感、胸痛、胸水、腹水、喘息、発熱、全身倦怠感、体重減少、ほてり、月経過多、咽喉頭異和感、筋肉痛、関節痛、味覚異常 |
臨床検査 |
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初版日時: 2017-04-13 (木) 16:08:34
最終更新: 2017-04-13 (木) 16:18:13 (JST) (2541d) by kondo
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