コリンエステラーゼは体内にあるコリンエステルという物質を分解する酵素で、肝臓でつくられています。肝臓の働きが低下するとつくられる量が減るため、血液中のコリンエステラーゼは減少して、肝臓病の重症度をみることができます。
コリンエステラーゼはアルブミンと同じく肝臓だけでつくられるので、両方の値は平行して変動します。また、プロトロンビン時間[3]やBSP試験とも一致するので、これらの検査と合わせてみることによって、肝臓の障害されている程度が分り、慢性肝炎や肝硬変などの慢性の肝臓病の経過をみていくうえで、大変重要な検査となっています。
脂肪肝やネフローゼ症候群[4]、甲状腺機能亢進症[5]、糖尿病[6]、高脂血症、原発性肝がん[7]などの場合には、数値が上昇することが分っています。
血液を採取して、遠心分離した後、分析器で測定します。
食事や運動の影響を受けないので、特に注意はありません。
基準値を下回っている場合は肝臓での産生が減って、肝機能が低下しているので慢性肝炎や肝硬変の悪化、がんの肝臓転移、農業中毒などが考えられます。
急性肝炎[11]では、あまり低下しませんが、急に下がった時には劇症肝炎を考えます。
基準値を上回った場合には、肝臓でつくられる量が増えていることになりますが、その場合には甲状腺機能亢進症[5]、脂肪肝、糖尿病[6]、高脂血症、原発性肝がん[7]などが考えられます。
また、ネフローゼ症候群[4]でも高値になりますが、これは腎臓から排泄されなくなるためです。逆にアルブミンは異常に低値になります。
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