クッシング症候群(Cushing's syndrome)は、慢性の糖質コルチコイド[2]過剰による症候群です。ただし、下垂体腺腫[3]が原因で起こるクッシング症候群を、特にクッシング病[4](Cushing's disease)と呼びます。
副腎でコルチコステロイドがつくられすぎるのは、副腎に問題があるか、あるいは下垂体[5]からの刺激が過剰であることが原因です。下垂体[5]に腫瘍などの異常があると、副腎の副腎皮質ホルモン[6]の分泌を調節する副腎皮質刺激ホルモンが下垂体[5]から大量に分泌されるようになります。
良性腫瘍(腺腫)が副腎内に発生すると、これもコルチコステロイドがつくられすぎる原因になります。副腎腺腫は非常によくみられますが、ホルモンを過剰に分泌するのは、ごく少数です。
クッシング症候群は、病状が重いために大量のコルチコステロイドを服用しなければならない人にも起こる場合があります。また、喘息のためにコルチコステロイドを吸入した場合や、皮膚に局所的に使用したときにも起こることがあります。
クッシング症候群が疑われる場合は、血液中の主な副腎皮質ホルモン[6]であるコルチゾールの値を測定します。。
正常ならば、コルチゾールの値は1日のうちで午前中に高く、その後低下します。
クッシング症候群の場合、コルチゾールは1日中高い値を示します。
コルチゾール値が高ければ、デキサメタゾン抑制試験を行います。デキサメタゾンは下垂体[5]を抑制して副腎のコルチゾールの分泌を抑えます。クッシング症候群の原因が下垂体[5]による過剰な刺激ならば、コルチゾール値はある程度は下がります。クッシング症候群の原因がほかにある場合、コルチゾール値は高いままです。
副腎皮質刺激ホルモンの値が高ければ、副腎が過剰に刺激されていることを意味します。
治療法は原因が副腎、下垂体[5]、あるいはそれ以外のどこにあるかによって決まります。下垂体[5]腫瘍の切除や破壊には手術や放射線療法が必要です。
副腎の腫瘍(腺腫)は手術で切除されます。これらの治療法で効果がない場合や腫瘍が存在しない場合は、両方の副腎を摘出しなければなりません。副腎を両方もしくは部分的に切除した人は、一生コルチコステロイドを服用する必要があります。
下垂体[5]や副腎以外の腫瘍が過剰なホルモンを分泌している場合は、手術で切除されます。
手術などの決定的な治療を待つ間、コルチゾール値を下げるメチラポンなどの薬が投与されます。
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