- カルベジロール(Carvedilol)
- 作用と効果
- 用法・用量
- 用法及び用量に関連する使用上の注意
- 副作用
- ジェネリック医薬品
カルベジロール(Carvedilol) [1]
持続性 高血圧[2]・狭心症[3]治療剤 慢性心不全治療剤 頻脈性心房細動治療剤
- アーチスト錠1.25mg (製薬会社:第一三共株式会社)慢性心不全治療剤
- アーチスト錠2.5mg (製薬会社:第一三共株式会社)慢性心不全治療剤、頻脈性心房細動治療剤
- アーチスト錠10mg (製薬会社:第一三共株式会社)持続性 高血圧[2]・狭心症[3]治療剤、慢性心不全治療剤、頻脈性心房細動治療剤
- アーチスト錠20mg (製薬会社:第一三共株式会社)持続性 高血圧[2]・狭心症[3]治療剤、頻脈性心房細動治療剤
β受容体遮断作用に加えてα1受容体遮断作用による血管拡張作用や降圧作用を示し、血管抵抗を維持、減少させて、心臓のポンプ機能を改善し、体に必要な血液を十分に送り、心機能を改善します。
通常、本態性および腎実質性高血圧[2]、狭心症[3]、不整脈[5](頻脈性心房細動)の治療に用いられます。
通常、成人は1回1錠(主成分として1.25mg)を1日2回食後の服用から開始します。
1回1錠(1.25mg)、1日2回の服用に忍容性がある(何事もなく飲み続けられる)場合には、1週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量され、忍容性がない場合は減量されます。用量の増減は必ず段階的に行われ、1回服用量は主成分として1錠(1.25mg)、2錠(2.5mg)、4錠(5mg)、または8錠(10mg)のいずれかです。いずれの用量でも1日2回食後に服用します。
通常、維持量として1回2~8錠(2.5~10mg)を1日2回食後に服用します。なお、年齢、症状により服用開始用量はさらに低用量になる場合もあります。また、患者の本剤に対する反応性により、維持量は適宜増減されます。
- 本態性高血圧[2]症(軽症~中等症)
カルベジロールとして、通常、成人1回10~20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 腎実質性高血圧[2]症
カルベジロールとして、通常、成人1回10~20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 狭心症[3]
カルベジロールとして、通常、成人1回20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 虚血性心疾患又は拡張型心筋症[7]に基づく慢性心不全で、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬、ジギタリス製剤等の基礎治療を受けている患者
カルベジロールとして、通常、成人1回1.25mg、1日2回食後経口投与から開始する。1回1.25mg、1日2回の用量に忍容性がある場合には、1週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量し、忍容性がない場合は減量する。
用量の増減は必ず段階的に行い、1回投与量は1.25mg、2.5mg、5mg又は10mgのいずれかとし、いずれの用量においても、1日2回食後経口投与とする。通常、維持量として1回2.5~10mgを1日2回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により、開始用量はさらに低用量としてもよい。また、患者の本剤に対する反応性により、維持量は適宜増減する。
- 頻脈性心房細動
カルベジロールとして、通常、成人1回5mgを1日1回経口投与から開始し、効果が不十分な場合には10mgを1日1回、20mgを1日1回へ段階的に増量する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最大投与量は20mgを1日1回までとする。
必ず指示された服用方法に従ってください。
飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次の通常飲む時間が近い場合は、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。
用法及び用量に関連する使用上の注意 [8]
- 褐色細胞腫[9]の患者では、単独投与により急激に血圧が上昇するおそれがあるので、α遮断薬で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα遮断薬を併用すること。
- 慢性心不全を合併する本態性高血圧[2]症、腎実質性高血圧[2]症、狭心症[3]又は頻脈性心房細動の患者では、慢性心不全の用法及び用量に従うこと。
- 慢性心不全の場合
- 慢性心不全患者に投与する場合には、必ず1回1.25mg又はさらに低用量の、1日2回投与から開始し、忍容性及び治療上の有効性を基に個々の患者に応じて維持量を設定すること。
- 本剤の投与初期及び増量時は、心不全の悪化、浮腫、体重増加、めまい、低血圧、徐脈、血糖[10]値の変動、及び腎機能の悪化が起こりやすいので、観察を十分に行い、忍容性を確認すること。
- 本剤の投与初期又は増量時における心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)を防ぐため、本剤の投与前に体液貯留の治療を十分に行うこと。心不全や体液貯留の悪化(浮腫、体重増加等)がみられ、利尿薬増量で改善がみられない場合には本剤を減量又は中止すること。低血圧、めまいなどの症状がみられ、アンジオテンシン変換酵素阻害薬や利尿薬の減量により改善しない場合には本剤を減量すること。高度な徐脈を来たした場合には、本剤を減量すること。また、これら症状が安定化するまで本剤を増量しないこと。
- 本剤を中止する場合には、急に投与を中止せず、原則として段階的に半量ずつ、2.5mg又は1.25mg、1日2回まで1~2週間かけて減量し中止すること。
- 2週間以上休薬した後、投与を再開する場合には、「用法及び用量」の項に従って、低用量から開始し、段階的に増量すること。
- 頻脈性心房細動を合併する本態性高血圧[2]症、腎実質性高血圧[2]症又は狭心症[3]の患者に投与する場合には、頻脈性心房細動の用法及び用量は1日1回5mg投与から開始することに留意した上で、各疾患の指標となる血圧や心拍数、症状等に応じ、開始用量を設定すること。
主な副作用として、めまい、心不全の悪化、動悸、徐脈、血圧低下、糖尿病[12]悪化、全身倦怠感、発疹などが報告されています。
- 高度な徐脈、完全房室ブロック、心不全、心停止
息切れ、めまい、失神
- ショック
顔面蒼白、冷汗、ふらつき
- 肝機能障害、黄疸
全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる
- 急性腎不全
全身倦怠感、尿量減少、手足や顔のむくみ
- アナフィラキシー様症状
呼吸困難、ふらふらする、眼や唇の周りがはれる