アルカリホスファターゼ(ALP)は体中のあらゆる臓器や器官にあり、リン酸化[2]合物を分解する酵素です。pH10前後のアルカリ性で働くのでこの名前がつけられました。ALPが血液中に出てくるのは、主に肝臓、骨、小腸からで、これらの臓器に異常や病気[3]があると血液中にALPが増加します。
肝臓のALPは胆汁に排出されるので胆道系の病気[3]で胆汁の流れが滞ると、溢れて血液中に流れ込み血液中のALPが増えます。また、胆汁や血液のうっ滞、肝膿瘍などがあると肝臓でのALPが増加します。また、骨の病気[3]や異常でも血液中にALPが増え、骨の腫瘍やくる病、骨軟化症、骨折などでも増加します。GOT・GPT[5]の値と比較すると、肝臓や胆道系の病気[3]か骨の病気[3]かを鑑別することができます。
妊娠後期になると、胎盤からALPが出てくるため数値が高くなります。また、小児期は骨の成長が著しいためALPがたくさんつくられ数値が高くなります。
血液を採取して調べます。検査法によってキング・アームストロング法(KAU)やベッシー・ローリー法(BLU)など数値単位が異なりますが、IU(国際単位)が多く使われています。
食事の影響を受けるので検査当日は絶食します。また、服用している薬の影響を受けることがあるので、服用してよいかどうか予め聞いておきましょう。
急性肝炎[9]、胆管結石、腫瘍などによる胆道の閉塞、薬剤性肝障害などで黄疸が出ると、ALPの数値は数倍に上昇します。慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん[10]、アルコール性肝障害では、基準値の2~3倍になります。
骨折や骨の腫瘍、がんの骨移転、胃切除後に起こる骨軟化症などでは、ALPは2~3倍に上昇しますがGOT・GPT[5]は上昇しないので肝臓や胆道系の病気[3]と区別できます。
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