むずむず脚症候群(restless legs syndrome:RLS)は、身体末端の慢性的な不快感や痛みが生じている病態である。
レストレスレッグス症候群、下肢静止不能症候群ともいう。周期性四肢運動障害(PLMD)と表裏一体の関係にある。
1960年、米国のエクボン博士が、エクボン症候群(Ekbom syndrome)と命名し米国でも認知されるようになった。現在でも米国ではむずむず脚症候群では通じず、エクボン症候群とよばれている。
じっとした姿勢や横になったりしていると主に下肢の部分に「むずむずする」・「じっとしていられない」・「痒い」といった自覚症状が起こる。
また、「ピンでなぞられているような」・「針で刺すような」・「火照るような」・「蟻やミミズなどの虫が這っているような」などの異様な感覚が現われ時には「振動」のような感覚まで感じたりする場合もある。
また「激しい痛み」を感じることもある。これらの苦しさは「脚の中に手を突っ込んでかき回したいぐらい苦しい」と表現する患者もいて、この症状の辛さを表している。
このむずむずとした不快感や痛みなどの不快な異常感覚・身体症状が下肢や腰・背中・腕や手などに出現するため、患者はこれを抑えるため常に脚を動かしたり身体をさすらなければならない状態になる。
3分の1の患者では週に2回以上、中等症から重症の症状が起こる。特に夕方から夜間にかけて症状が増強するという特徴があり、入眠障害・熟睡障害や中途覚醒のような睡眠障害[3]の要因となり、また日常の座ったままやじっとした姿勢の活動を阻害されるため放置していると日常生活に大きな影響を及ぼす。この結果、昼間の疲労感を引き起こす。
患者は昼夜にわたり生活の質(QOL)に悪影響を及ぼす様々な症状に苛まれている。回復が長引けば全身の「慢性疼痛」の症状がでてくる。
症状が悪化すると睡眠障害[3]と過度のストレスから「うつ病[4]」を招き、最悪の場合、自殺する人もいる恐ろしい病気[5]である。
国際レストレスレッグス症候群研究グループ(IRLSSG)診断基準2014改訂版
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