- 概要
- 症状
- 原因
- 診療科
- 分類
- 診断
- 薬
- 治療法
- 薬物治療
- 睡眠習慣の見直し
- 不眠症以外の疾患に対する治療法
睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態をいいます。眠れなくなることはよくみられますが、眠れないことイコール不眠症ではありません。
眠りたいのに眠れない、なかなか寝つけないなど寝ている間に何らかの障害を招いている場合もあります。
不眠症の多くは内在因性睡眠障害と呼ばれ、体内に原因がある場合に見られます。
精神的なストレスを抱えていた場合、眠りにくい症状をあらわす典型的な障害です。
睡眠時無呼吸症候群[2]もこの内在因性睡眠障害にあてはまります。 内在因性睡眠障害は、原因になるものを治すことで睡眠障害は克服できます。
- 不眠症
眠れない状況によって、寝つきが悪い「入眠障害」、夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」、朝早くに目が覚めてしまう「早朝覚醒」、眠った気がしない「熟睡障害」があります。
- 過眠症
日中、異常に強い眠気が起きる状態です。不眠のために、過眠を起こすこともあります。時には、重大な事故の原因となることがあるので、要注意です。
- 睡眠覚醒リズム障害
人は長い歴史を通して、昼間は活動して夜に眠るというパターンを身につけました。しかし、最近の社会環境の変化によって、この睡眠と覚醒のリズムが壊れてしまう人が増えています。
- 睡眠時随伴症
寝言を言ったり、寝ぼけたりすることは、健康な人にもあることです。しかし、物を壊したり人に危害を加えたり、知らないうちにものを食べたりするようなら、病気[4]の可能性があります。
不眠の原因には、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気[4]から来るもの、薬によって引き起こされるものなど、様々です。
さらに、睡眠障害には不眠だけでなく、昼間眠くてしかたないという状態や、睡眠中に起きてくる病的な運動や行動、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態など、多くの病気[4]が含まれます。また、睡眠の問題は1つの原因や病気[4]だけでなく、いくつかの要因が重なって起こってくることも多くみられます。
- 睡眠異常
睡眠自体が疾患であるものを指す。不眠症、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群[2]、睡眠相後退症候群など。
- 睡眠時随伴症
睡眠中に見られる異常な行動。夜驚症、夜尿症、睡眠麻痺、周期性四肢運動、睡眠関連摂食障害[8] (英: Nocturnal sleep related eating disorder) など。
- 内科・精神科的睡眠障害
精神病や不安障害、うつ病[9]などに伴う不眠や過眠。
- その他
未だ分類が正確になされていない、短時間睡眠者や長時間睡眠者など。
睡眠薬は、作用時間の長さによって超短時間型、短時間型、中間型、長時間型の4種類に分けられます。
寝つきが悪い場合には超短時間型や短時間型が、夜中や早朝に目が覚めてしまう人には中間型や長時間型が効果的です。
寝つきが悪い、途中で起きてしまう、早くに目が覚めてしまう、などの不眠症状に応じて、睡眠薬が使用されます。また、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬なども使用されることがあります。睡眠薬は絶対にお酒と一緒に飲んではいけません。睡眠薬を服用したら30分以内には寝床につきましょう。
服用していた睡眠薬をいっぺんに中止すると、リバウンドで不眠が悪化することがあります。
睡眠習慣の見直し [34]
- 睡眠時間にこだわらない
年をとると必要な睡眠時間は短くなります。あまり長時間眠ることを目標とせず、年齢に合った睡眠時間を設定しましょう。
- 眠くなってから床につく、就床時刻にこだわりすぎない
眠ろうと意気込むと、かえって頭が冴えてきます。寝つけないままに床の中にいると、眠れないことへの不安や焦りが生じ、ますます眠れなくなってしまいます。
- 同じ時刻に毎日起床
何時間眠れたかにかかわらず、毎日同じ時刻に起床しましょう。
- 眠る以外の目的で床の中で過ごさない
床の中でテレビを見たり、読書をしたりしないようにしましょう。なかなか眠れなかったら、いったん床から離れ、自分なりのリラックスできることを行ってみましょう。
- 昼寝は短めに、遅くとも15時前に
長い昼寝や夕方以降の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を及ぼします。
不眠症以外の疾患に対する治療法 [35]
- 睡眠時無呼吸症候群[2]
重症度によって治療法が異なります。経鼻的持続陽圧呼吸療法(鼻CPAP療法)や口腔内装置などが使われます。肥満がある場合は、ダイエットが必要です。飲酒や睡眠薬は、かえって悪化させます。
- 過眠症
夜間十分な睡眠をとり、規則的な生活を心がけるようにしましょう。昼休みなどに短時間の昼寝をうまく取り入れましょう。眠気に対して中枢神経刺激薬が使用されることがありますが、専門医による診察と検査が必要です。
- 睡眠時随伴症
ストレスなどが関与している場合があるので、ストレスの軽減につとめましょう。睡眠中の寝ぼけ行動に対しては、危険に配慮した寝室環境を整えましょう。薬物療法として、睡眠薬、抗てんかん[37]薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病[38]薬などが使われます。
- 概日リズム睡眠障害
体内時計をリセットし、通常の一日のリズムに合わせるためには、朝たっぷり光を浴びるようにしましょう。休日でも同じ時刻に起床して、光を浴びるのがコツです。睡眠薬やサプリメントを使用する場合は、専門医の指導を仰ぎましょう。