心理的な原因で食に異常をきたす病気[2]で、拒食症と過食症があります。厚生労働省の難治性疾患(難病)に指定されています。
低血糖[4]で意識がなくなる(低血糖[4]性昏睡)、脱水で腎臓の働きが悪くなる(腎不全)、電解質[5]異常(嘔吐や下剤の乱用による低カリウム血症による不整脈[6])が起こります。
心理学的背景として以下のような原因が考えられている。
心療内科、精神科
DSM-IVによる神経性無食欲症の診断基準
A. 年齢と身長に対する正常体重の最低限、またはそれ以上を維持することの拒否(例:期待される体重の85%以下の体重が続くような体重減少;または成長期間中に期待される体重増加がなく、期待される体重の85%以下になる)
B. 体重が不足している場合でも、体重が増えること、または肥満することに対する強い恐怖
C. 自分の体重または体型の感じ方の障害、自己評価に対する体重や体型の過剰な影響、または現在の低体重の重大さの否認
D. 初潮後の女性の場合は、無月経、すなわち月経周期が連続して少なくとも3回欠如する(エストロゲン[13]などのホルモン投与後にのみ月経が起きている場合、その女性は無月経とみなされる)
ICD-10による神経性無食欲症の診断基準
A. 体重減少は(小児では通常のように体重が増加せず)、標準体重あるいは年齢と身長から期待される体重より少なくとも15%下回っていること
B. 「太るような食物」を自らが避けることによって起こる体重減少
C. 肥満に対する病的な恐怖を伴った太りすぎというボディイメージの歪みがある。このために体重の許容限度を低く設定して自らに課す
D. 視床下部[8]-下垂体[14]-性腺系を含む広範な内分泌障害が顕在化する。それは、女性で無月経によって、男性では性的な関心と性的能力の喪失によって確認される(明らかに例外的なものとして、避妊薬に代表されるホルモンの補充療法を受けていると、神経性無食欲症の女性でも持続的な性器出血をみることがある)
E. 神経性大食症(F50.2)の基準A、Bを満たさないこと
厚生労働省研究班による神経性無食欲症の診断基準
1. 標準体重の-20%以上のやせ(3カ月以上)
2. 食行動の異常(不食、多食、隠れ食い、など)
3. 体重や体型についてのゆがんだ認識(体重増加に対する極端な恐怖など)
4. 発症年齢は、30歳以下(ほとんどが25歳以下、まれに30歳以上の初発)
5. (女性ならば)無月経(その他の身体症状としては、うぶ毛密生、徐脈、便秘、低血圧、低体温、浮腫などを伴うことがある。時に男性例がある)
6. やせの原因と考えられる器質性疾患がない
DSM-IVによる神経性大食症の診断基準
A. むちゃ食いのエピソードの繰り返し。むちゃ食いのエピソードは以下の2つによって特徴づけられる
(1)他とはっきり区別される時間帯に(例:1日の何時でも2時間以内)、ほとんどの人が同じような時間に同じような環境で食べる量より明らかに多い食物を食べること
(2)そのエピソードの期間では、食べることを制御できないという感覚(例:食べるのをやめることができない、または、何を、またはどれほど多く食べているかを制御できないという感じ)
B. 体重の増加を防ぐために不適切な代償行動を繰り返す、例えば、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤・浣腸・またはその他の薬剤の誤った使用による排出行動、絶食・または過剰な運動
C. むちゃ食いおよび不適切な代償行動はともに、平均して、少なくとも3カ月間にわたって週2回起こっている
D. 自己評価は、体型および体重の影響を過剰に受けている
E. 障害は、神経性無食欲症のエピソード期間中にのみ起こるものではない
ICD-10による神経性大食症の診断基準
A. 短時間の間に大量の食物を消費する過食のエピソードを繰り返すこと(週2回以上の過食が3カ月間以上)
B. 食べることへの頑固なこだわり、および食べることへの強い欲求または強迫感(渇望)
C. 患者は、次に示すうちの1項目以上のことで、食物摂取の増加による体重増加に対抗しようと試みる(代償行動)
(1) 自己誘発性の嘔吐
(2) 自発的な下剤使用
(3) 交代性にみられる絶食の時期
(4) 食欲抑制剤や甲状腺ホルモン[16]剤または利尿剤のような薬物の使用。糖尿病[17]患者が過食[大食]症になると、インスリン治療を故意に怠ることがある
D. 肥満に対する病的な恐怖を伴う。太りすぎというボディ・イメージの歪み
特定不能の摂食障害のカテゴリーは、どの特定の摂食障害の基準も満たさない摂食の障害のためのものである。
1.女性の場合、定期的に月経があること以外は、神経性無食欲症の基準をすべて満たしている
2.著しい体重減少にもかかわらず現在の体重が正常範囲内にあること以外は、神経性無食欲症の基準をすべて満たしている
3.むちゃ食いと不適切な代償行為(無理な排泄行動など)の頻度が週2回未満である、またはその持続期間が3カ月未満であるということ以外は、神経性大食症の基準をすべて満たしている
4.正常体重の人が、少量の食事をとった後に不適切な代償行動を定期的に用いる(例:クッキーを2枚食べた後の自己誘発性嘔吐)
5.大量の食事を噛んで吐き出すということを繰り返すが、飲み込むことはしない(チューイング)
6.むちゃ食い障害:むちゃ食いのエピソードを繰り返すが、神経性大食症に特徴的な不適切な代償行動の定期的な使用はない
過食症
神経性無食欲症
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