慢性原発性副腎皮質機能低下症は、副腎皮質が破壊され副腎皮質ステロイド[2]の産生低下を示す症候群です。
コルチゾール、アルドステロン、副腎アンドロゲンが欠乏した状態になります。
「慢性」とは急性副腎不全に対してのことであり、「原発性」とは視床下部[3]や下垂体[4]の障害によるものではなく、副腎そのものが障害されて機能低下をきたしたことを表します。
下垂体[4]の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌不全による続発性のものと区別されます。
1855年に、英国の内科医トーマス・アジソンによって報告されアジソン病とも呼ばれていました。
しかし、その後、副腎皮質ステロイド[2]合成酵素欠損症による先天性副腎皮質過形成症、先天性副腎低形成、副腎刺激ホルモン不応症(ACTH不応症)などの疾患が、それぞれ責任遺伝子が同定されたことにより独立した疾患単位・呼称が用いられるようになりました。
このため、現在では、アジソン病という呼称は後天性による病態を総称する用語として用いられています。
副腎皮質ホルモン[7]の欠落により、易疲労感、全身倦怠感、脱力感、筋力低下、体重減少、低血圧などが現れます。
食欲不振、 悪心・嘔吐、下痢などの消化器症状、精神症状(無気力、不安、うつ)など様々な症状が起こります。
色素沈着は皮膚、肘や膝などの関節部、爪床、口腔内にみられます。
以下の4項目のうち、少なくとも1項目以上を満たすものを対象とする。
不足する副腎皮質ステロイド[2]の補充を行います。
急性副腎不全の発症時には、グルココルチコイドとミネラルコルチコイドの速やかな補充と、水分・塩分・糖分の補給が必要です。
その後も生涯にわたりグルココルチコイドとミネラルコルチコイドの補充が必要です。新生児期・乳児期には食塩の補充も必要となります。
発熱などのストレスにさらされた際には副腎不全を起こして重篤な状態に陥ることがあるため、ストレス時にはグルココルチコイドの内服量を通常の2~3倍服用します。
筋力の低下や全身消耗の強い場合、副腎性アンドロゲンを補充することもあります。
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