心臓の筋肉に酸素と栄養を運ぶために、心臓を取り巻いているのが冠動脈です。その冠動脈の内側が動脈硬化などによって狭くなり、血液が充分に流れなくなると心筋は酸欠状態を起こします。 とくに血管が完全にふさがってしまうと、その部分の心筋の組織は壊死し激しい心臓発作を起こします。これが心筋梗塞です。 発作時の胸の痛みは、締めつけ感、圧迫感、灼熱感を伴い、これまでに経験したことのないほどの強烈な痛みのために、冷や汗、呼吸困難、嘔吐などの症状を伴い、意識を失ってしまうこともあります。
発作は狭心症[2]と異なり30分以上も続きます。
冠動脈が詰まる原因として最も多いのが血栓です。冠動脈はすでにアテロームによって部分的に狭くなっていることが多く、アテロームが破裂したりちぎれたりすると、動脈はさらに狭くなって血栓が詰まりやすくなります。破裂したアテロームは血流を減少させるだけでなく、血小板の粘着性を高める物質を放出するため、血液はさらに固まりやすくなります。
心臓発作(心筋梗塞)を起こした人の3人に2人は、発症する数日前に、間欠的な胸痛(狭心症[2])、
息切れ、疲労感がみられます。痛みはより頻繁に起きるようになり、これらの胸痛パターンの変化(不安定狭心症[2])に伴い心臓発作を起こします。
心臓発作の最も特徴的な症状は、胸の中央から背中、あご、左腕に広がる痛みです。心臓発作の痛みは狭心症[2]の痛みと似ていますが、より激しく長く続き、安静にしてもニトログリセリンを使用しても軽減しません。心臓発作を起こした人の30%は、胸痛が起こりません。
このような患者は、女性、有色人種、75歳以上の人、心不全や糖尿病[6]のある人、脳卒中を起こしたことのある人に多くみられます。
その他の症状には気が遠くなる、突然に激しく発汗する、吐き気、息切れ、大きな心拍音の自覚などがあります。
心臓発作だと思ったら即座に救急車を呼び、アスピリン[9]の錠剤をかみ砕きます。家にアスピリン[9]がなかったり、救急隊員が投与しなかった場合は、普通は病院到着後に即座に投与されます。
精神的ストレス、興奮は心臓の負担となるため、心臓発作を起こしたばかりの人は静かな部屋で数日は安静にすべきです。
喫煙は冠動脈疾患と心臓発作の主な危険因子であり、CCUはもとより病院内では禁止されます。心臓発作を起こした人は絶対に禁煙しなければいけません。
便秘のためにいきまなくても済むよう、便の軟化薬や緩下薬を使用することもあります。患者が排尿できない場合や尿量の変化を正確に知る必要がある場合は、尿道カテーテルを使用します。 神経質な人は心臓に負担がかかるため、作用の弱い抗不安薬(ロラゼパムナドノベンゾジアゼピン)が処方されることもあります。
心臓発作後によくみられる軽いうつ病[13]と疾病否認に対処するため一部の患者には抗うつ薬が必要になります。
ドレスラー症候群を発症している人にはアスピリン[9]を処方します。この症候群は治療しても再発する可能性があります。
重症の場合は、コルチコステロイド薬かアスピリン[9]以外の非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンなど)を一時的に処方します。
回復には心臓リハビリテーションが重要なため、入院中から開始します。合併症がなければリハビリテーションを開始し、
1日目には椅子に座る、介助されながら体を動かす、いす型の室内用便器を使用する、本を読むなどから始めます。2日目あるいは3日目には歩いてといれまで行ったり、
負担にならない程度の運動ができるようになり、その後は日ごとに活発に動けるようになります。
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