本来は、子宮腔内面にある子宮内膜が子宮以外の場所にも増殖したもので、子宮腺筋症[2](内性子宮内膜症)と外性子内膜症があります。女性ホルモンの働きで増殖、進行する病気[3]で、月経のある女性にみられます。
子宮内膜組織が子宮筋層の内部ある場合です。それが卵巣から出るホルモンの影響で筋層内に月経の時の子宮内膜と同じように増殖、出血して月経困難症の原因になります。
子宮は肥大し、強い月経痛と過多月経があり、30代ごろより始まって次第に症状が強くなります。
子宮内膜組織が卵管、卵巣、子宮後壁などに発生したもので、月経血が逆流してできるという説があります。月経の度に出血と硬い腫瘤を形成しながら進行し、不妊症の原因にもなります。
月経痛と月経困難症が主な症状です。初経時には痛みがなく、年月の経過によって徐々に増悪していくという特徴があります。その他、腰痛、下腹痛、仙骨部への放散痛が見られます。
原因は不明ですが、月経時に剥がれ落ちた子宮内膜の一部が、卵管を逆走して卵巣や腹部臓器に達して増殖するという説が最も有力視されています。
婦人科
非直視下ではBeecham分類が用いられますが、直視下でのRe-AFS分類(米国不妊学会による分類方法)が用いられます。
腹膜や卵巣の病巣の深度や大きさ、癒着の程度、ダグラス窩の閉鎖をスコア化し、合計点数によってステージ I~IVの4段階に分類する。
炎症を鎮めて、腫れや発赤、痛みなどの症状をおさえます。熱を下げる効果があります。
大まかに分けて待機療法、薬物療法、外科療法、マイクロ波照射 の4種の治療法がある。
Re-AFS分類でステージ I、IIで無症状の患者が対象。不妊との関係は明らかではないため、しばらくは治療せずに経過を観察します。
子宮内膜はホルモンの影響を受けるため、ホルモン療法が基本です。
子宮内膜症の疼痛は局所的なプロスタグランジン濃度の変化が考えられているため。長期の低エストロゲン[28]療法を避けたい就学中の学生や不妊患者が主な対象。
エストロゲン[28]+プロゲステロン[30]剤を投与する偽妊娠療法。いわゆるピルが用いられる。但し保健適応を受けた製剤は一種類(ルナベル配合錠[31]:販売-日本新薬)だけで、それ以外の製剤は自由診療(全額自己負担)となる。
効果がありますが、同時に更年期障害様症状や体重増加、にきび、多毛などの美容上の副作用があります。
また、長期間にわたって使用する場合は、低エストロゲン[28]状態により骨量の低下が起こるため骨粗鬆症のおそれがあります。特に虚血性心疾患のおそれがある人は注意が必要です。
ダナゾールはテストステロン[34]誘導体[35]であるためアンドロゲン作用を持ち、抗エストロゲン[28]作用と免疫系双方に作用します。
下垂体[38]のGnRHに対する感受性を低下させ、ゴナドトロピンの産生、分泌を抑制することでエストロゲン[28]の分泌を低下させます。
異所性子宮内膜を切除するとともに、子宮全摘出術と付属器切除術を施行する手術。治療の対象は40歳以上で出産希望がない重症例に限られます。
MEAは、子宮内からマイクロ波を子宮内膜へ照射して壊死させる治療法で、術後は出血量が激減します。
MEAは子宮摘出術の代替治療法として、体に負担をかけずに、数分から数十分で安全に実施できる治療法です。
閉経までの5~10年の期間を、外科的治療を回避したいために十分満足できない状態で我慢している患者さんが、MEAによって過多月経を治療できます。
なお、妊娠を望む方には適応できません。
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