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原発性胆汁性肝硬変 :: 医療 Wiki

illness:原発性胆汁性肝硬変

ページ内コンテンツ
  • PBC 概要
    • 症状
    • 原因
    • 診療科
    • 診断
    • 合併症
    • 治療法

PBC 概要 anchor.png[1]

原発性胆汁性肝硬変は、肝臓内の胆管に炎症が起こります。炎症によって、肝臓から外へと向かう胆汁の流れが妨げられ、胆汁が肝細胞に滞留したり、血流に流れこみます。炎症が肝臓の他の部分に拡がり、格子状の瘢痕組織が肝臓全体へと広がります。

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症状 anchor.png[2]

原発性胆汁性肝硬変は徐々に進行します。最初の自覚症状は、痒みや疲労です。
数カ月から数年経過後、指先の腫れ、骨、神経、腎臓の異常といった症状が現れます。

便の色が薄くなり、脂肪を多く含み悪臭がします。その後、肝硬変や脂肪肝の症状やその他の合併症が生じることがあります。代謝性の骨粗鬆症がほとんどの人に起こります。

肝臓が腫れて硬くなり、脾臓の腫大が現れます。病気[3]が進行すると肝臓は縮んで小さくなります。

皮膚には、黄色腫とよばれる黄色い小さな沈着物が生じます。まぶたに生じるものは、黄色板症とよばれます。病気[3]が進行するとほとんどの患者に黄疸が出てきます。

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原因 anchor.png[4]

免疫システムの機能に異常が起こり、自分自身の細胞や組織を攻撃する自己免疫反応*1が原因といわれています。

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診療科 anchor.png[5]

  • 消化器科
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診断 anchor.png[6]

原発性胆汁性肝硬変の患者の多くは、初期症状が現れる前に定期的な血液検査で異常が見つかります。患者の90%以上で、血液中にミトコンドリア*2に対する抗体が認められます。

黄疸や肝機能検査値の異常がある場合には、超音波検査や胆管系のMRI検査[7](磁気共鳴胆道造影)で、肝臓の外にある胆管の異常や閉塞の有無を調べます。肝臓外の胆管に閉塞がみられず、異常部位が肝臓内にあると考えられれば、原発性胆汁性肝硬変の診断が裏づけられます。ミトコンドリアに対する抗体の検出も診断の裏づけとなります。

  • 肝生検[8]
    肝臓と胆嚢の検査を行うことで診断が確定し、病気[3]のステージが判明します。
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合併症 anchor.png[9]

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anchor.png[10]

  • クエストラン粉末[11](一般名:コレスチラミン)
    血液中のコレステロールを減らし、動脈硬化を抑制します。かゆみを抑える効果があります。
    • 副作用
      便秘、膨満感、食欲不振、吐き気、下痢、軟便、腹痛、肝臓の異常、口内炎、発疹
  • ウルソ錠[12](一般名:ウルソデオキシコール酸)
    胆汁の流れをよくして、胆石を溶かします。
    肝臓の血流を良くして、肝機能改善します。
    消化不良を改善して食べ物の吸収を助けます。
    • 副作用
      軟便、下痢、吐き気、食欲不振、胸やけ
      稀に間質性肺炎[13]を起こす場合があります。
  • グリチロン配合錠[14]分(一般名:グリチロン[製])
    主要成分は甘草(カンゾウ)という植物に由来するグリチルリチンです。グリチルリチンには、免疫調節作用や抗アレルギー作用、抗炎症作用などがあります。慢性肝炎に用いた場合、肝機能値の改善に効果が認められています。
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治療法 anchor.png[15]


*1 免疫システムが異常を起こすと、自分自身の組織を異物と認識して、自己抗体と呼ばれる異常な抗体や免疫細胞をつくり、体内の特定の細胞や組織を標的にして攻撃します。
*2 ミトコンドリアは、細胞内の微小な構造体です。

Last-modified: 2019-03-28 (木) 19:44:42 (JST) (1853d) by kondo