ゴナドトロピンにはFSH、LHの2種類あり、視床下部[2]ホルモンのGnRHによって分泌が調節されます。
思春期前にゴナドトロピン分泌が障害されると、性的発達がみられず、二次性徴はあらわれません。
性腺から分泌されるステロイドホルモンには骨を成熟させる働きがあり、これが欠乏すると骨の成熟が遅れて骨の成長が続くため、手足は長く身長も高くなる傾向を示します。
ゴナドトロピンは男子の睾丸(精巣)、女子の卵巣を刺激します。 男子ではFSHはおもに精子の形成、LHは男性ホルモンのテストステロン[4]の産生を刺激します。
女子ではFSHは卵子の成熟をうながし、LHは女性ホルモンのエストロゲン[5]の分泌を促進します。成熟した女性ではLHとFSHは協同して排卵を起こさせます。
ゴナドトロピンの分泌は思春期のすこし前から始まり、思春期ころから性腺はしだいに成熟し、男女とも二次性徴があらわれます。
女子では乳房が発達し始め、体は女性らしくなり排卵や月経を迎えます。
男子では男性らしい体型となり、声変わりし、ひげが生えてきます。ペニスや睾丸のサイズも大きくなります。
男女とも脇毛や陰毛がみられるようになるのもこのころです。
血中の性ホルモン(男子のテストステロン[4]、女子のエストロゲン[5])やゴナドトロピン濃度が正常と比較して低いことで判断します。また、視床下部[2]・下垂体[7]に腫瘍などの病変がないか確認します。
患者は、18 歳までに性的成熟が認められないか、不完全な状態を示します。 嗅覚障害を伴う場合(カルマン症候群)と嗅覚は正常な場合があります。
すでに性的成熟が完了したあとでゴナドトロピンの分泌が障害されても、性の機能は影響を受けます。
通常、男性では男性ホルモン、女性では女性ホルモンを使用し治療します。女性で妊娠を希望される場合にはゴナドトロピンやGnRHによる治療を行います。
男性では精子の形成にゴナドトロピン治療が必要です。
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