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ゴナドトロピン分泌異常症 :: 医療 Wiki

illness:ゴナドトロピン分泌異常症

ページ内コンテンツ
  • 概要
    • 分泌ホルモン
    • 原因
    • ゴナドトロピン分泌欠乏症
    • ゴナドトロピン分泌過剰症
    • 中枢性性早熟症(思春期早発症)
    • ゴナドトロピン産生腫瘍
    • 治療法
      • ゴナドトロピン分泌低下症の治療
      • ゴナドトロピン分泌過剰症の治療

概要 anchor.png[1]

視床下部[2]下垂体[3]の障害によって、同年齢の正常人に比較して、ゴナドトロピンの分泌が明らかに欠乏したり、過剰に分泌される病気[4]です。

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分泌ホルモン anchor.png[5]

下垂体[3]前葉から少なくとも7種類のホルモンが分泌されています。

  • ゴナドトロピンと呼ばれる黄体化ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)の糖鎖を有するペプチドホルモンは、下垂体[3]の同一細胞より分泌されます。
  • ゴナドトロピンの生合成や放出は、視床下部[2]において産生され下垂体[3]門脈を介して下垂体[3]に作用するゴナドトロピン分泌刺激ホルモン(LH RH)によって調節されています。
  • ゴナドトロピンの分泌は、エストロゲン[6]テストステロン[7]などの性ホルモンによって影響されます。また、性的発育に伴ってゴナドトロピんの分泌は増加し、女性では性周期に伴って変化します。加齢に伴う変化もあります。
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原因 anchor.png[8]

視床下部[2]を侵す病変には器質性と機能性の病変があります。

  • 器質性病変
    器質疾患の代表は頭蓋咽頭腫と鞍上部胚芽細胞腫です。
  • 稀な遺伝性
    分娩を契機として母親に視床下部[2]に障害をが生じることがあります。
    家族性ゴナドトロピン分泌刺激ホルモン(LHRH)単独欠損症は遺伝性のものと考えられます。
  • 機能性の病変
    機能性視床下部[2]病変としては、ストレス、過度の運動、高度のやせや肥満を伴う栄養状態の変化、急激な環境変化、精神神経機能の変化などが上げられます。
  • 発症の原因となる慢性消耗性疾患
    • 下垂体[3]を侵す主要な病変
      下垂体[3]腫瘍、炎症、細胞浸潤、出血壊死、転移性腫瘍、自己免疫などがあります。女性は分娩時の大量出血によるシーハン症候群があります。
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ゴナドトロピン分泌欠乏症 anchor.png[9]

ゴナドトロピン分泌低下に伴う特徴的な症状は、無月経、性欲低下、インポテンス、不妊、陰毛・腋毛の脱落、性器萎縮、乳房萎 縮、二次性徴の欠如です。
下垂体[3]腫瘍が存在すると頭痛、嘔気、視野障害などを生じることがあります。下垂体腺腫[10]に伴う局所症状や下垂体[3]機能低下症状を示すことがあります。

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ゴナドトロピン分泌過剰症 anchor.png[11]

男児では9歳以前に、女児では7歳以前に二次性徴が現れます。思春期の徴候が出現すると、身長増加が促進され正常児より高身長を示します。

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中枢性性早熟症(思春期早発症) anchor.png[12]

奇形腫による絨毛性ゴナドトロピン (hCG) 産生、過誤腫によるLH-RH産生、胚芽腫や神経膠腫による思春期発現抑制機構の障害などが性早熟症に原因です。水頭症、脳炎、髄膜炎[13]などの非腫瘍性中枢神経疾患においても性早熟が生じます。

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ゴナドトロピン産生腫瘍 anchor.png[14]

基礎疾患のない特発性の症例もあります。
成人では下垂体[3]視床下部[2]に存在する腫瘍において産生されるごなどろぴん(LH、FSH、hCG)やごなどとろぴん分泌刺激ホルモン(LH-RH)によりゴナドロピン分泌過剰症が生じます。

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治療法 anchor.png[15]

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ゴナドトロピン分泌低下症の治療 anchor.png[16]

年齢、患者の希望により決定します。妊娠を希望の場合(男子および女子)には、絨毛性ゴナドトロピン(hCG)あるいはhCGとhMG*3あるいは卵胞刺激ホルモン(FSH)両者の投与、またはゴナドトロピん分泌刺激ほるもん(LH-RH) 連続間欠的皮下投与が行われます。 妊娠を希望しない場合には、男子ではアンドロゲンの投与、女子ではエストロゲン[6]単独ないシプロゲステロン[17]の併用投与が行われます。

  • プロゲステロン[17]とは
    成人女性では、卵巣の黄体から分泌されますが、妊娠時には妊娠中期以降になると、胎盤からも分泌されます。 生体内で黄体ホルモンとして働いている物質のほとんどがプロゲステロン[17]です。黄体ホルモンの主な働きは、女性の体、特に子宮を妊娠の準備をするように変化させ、月経周期を決めて、もし妊娠が起こった場合には、出産までの間、妊娠を維持させる役目を果たします。
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ゴナドトロピン分泌過剰症の治療 anchor.png[18]

LH-RH誘導体の投与が性成熟の進行をすばやく抑制し、副作用のないことで優れています。
効果はLHーRHに対する血清LH、FSHの反応性の低下と血中性ステロイドホルモンの低下で判定します。
LH-RH誘導体の投与の仕方 1日3~6回鼻腔内に噴霧するか4週に一回皮下に注射します。
ゴナドトロピン分泌抑制作用を有するアンドロゲン拮抗薬の投与も骨成熟を抑制する効果があります。


Last-modified: 2010-12-22 (水) 14:11:14 (JST) (4871d) by kondo